本日は、最初にE♭Major の音階でロングトーンの練習をしました。
先生は、発表会の曲もE♭Major ですから、何度も練習して、素早く
着実に運指ができるようにしておいてくださいと言われました。
さあいよいよ発表会で演奏する「君はわが心」の本格的な練習です。
その前にこの曲が歌われる喜歌劇「ほほえみの国」について少し
説明しておきましょう。「ほほえみの国」というのは東洋の国となって
いて原作では中国となっているようですが、19世紀後半頃のタイ王国を
想定して作曲されたと思われます。ウィーンで博覧会が開かれ
そこで知り合った、オーストリア人?の未亡人リーザと東洋人の外交官
スー・ホンの悲しい恋愛物語です(喜歌劇なのにです)。リーザはスー・ホン
の兄が暗殺され、スー・ホンが帰国して国王の仕事をしなければならなく
なったのを機に一大決心をしてスー・ホンと結婚します。1年ほどはリーザは
スー・ホンの国のために尽くし国民に慕われる妃となりますが、近隣の諸国との
和平の条件として、その国の国王の娘を第2夫人として受け入れなければ
ならなくなります。そのことを社交の場で知ったリーザは、もし第2夫人を
受け入れるのなら、私は(離婚して)帰国しますと涙ながらに訴えます。
その返答として歌われるのが、この「君はわが心(のすべて)」です。
スー・ホンは、国の責任者として第2夫人を受け入れざるを得ないが、本当に
愛しているのは君だけだよ。君がすべてだよと言いたかったのでしょう。
その後、和平交渉が進められ、スー・ホンが第2夫人を受け入れたため、
リーザは帰国します。ひとり残されたスー・ホンは、どんな時にも心を隠し
ほほえんでいようと歌います。
前半のふたりの恋愛がうまく行っている時に歌唱される歌なら、熱愛の歌唱と
なるのでしょうが、上記のとおり歌われるに至る背景は少し違っています。
それでも歌詞の内容を見ると熱い思いの告白の歌であることに変わりはなく、
立派なラブソングであると思います。
ではレッスンに戻りましょう。この曲は4分の4拍子の初めの部分、8分の6拍子
の真ん中の部分、4分の4拍子の終わりの部分から構成されていて、初めと
終わりはほぼ同じ内容のゆったりとした美しいメロディです。真ん中のところが
変化に富んでいて吹きにくいところがあります。
先生は最初から吹いてみましょうと言われ、真ん中の終わりまで吹いてみましたが、
やはり真ん中の前半のところでつまってしまいました。先生は、リズムをきちんと
刻んで、スラー(一息で)吹いてみてくださいと言われました。そうするとうまくいったので、
そこのところは、暗譜して一気に吹けるようにしようと思いました。他にも右小指の
使い方の指導を受け、本日のレッスンは終わりました。