2023年5月16日

前回のレッスンでは出だしが駄目、間奏のところの指導も充分に受けられずということで、私はすっかり落ち込んでしまいました。何とかならないかと思って、今回発表会で「清らかな女神よ」をすることに決めた、2つの演奏を聞いてみることにしました。ひとつは今から46年ほど前に発売されたレコードでトランペット奏者のモーリス・アンドレがオペラのアリアをトランペットで演奏したものです。もうひとつはマリア・カラスが主演のEMIレコードの歌劇「ノルマ」の全曲盤です。アンドレのレコードには、モーツァルトの歌劇「魔笛」から夜の女王のアリア「復讐の心は地獄のように胸に燃え」やロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」からロジーナのアリア「今の歌声は」が演奏されていますが、私はレコードの最初の2つの演奏に心が奪われました。それはレハールのオペレッタ「微笑みの国」から「君はわが心のすべて」とベルリーニの歌劇「ノルマ」から「清らかな女神よ」でした。アンドレの演奏は超・超絶トランペットと宣伝されていて完璧に歌手の歌声を再現しているように思いましたが、それ以上に「君はわが心のすべて」と「清らかな女神よ」は抒情的で心に沁みました。私は当時浪人生でしたが、将来余裕が出来たら、この二つのアリアを楽器演奏してみたいと思ったのでした。5年前に「君はわが心のすべて」を発表会で演奏して、近い将来に「清らかな女神よ」も発表会で演奏したいと考えたのでしたが、個人レッスンでなくなり、コロナ禍もあったため先送りになっていたのでした。「君はわが心のすべて」に比べて「清らかな女神よ」は地味で吹きやすと思っていたのですが、8分の12拍子の曲で演奏が難しく、間奏やカデンツァも演奏することになったので、克服しないといけない課題がいっぱいになりました。何より困難と思ったのは、8分の12拍子をきちんと楽譜通りに演奏できるかでした。頭のところを鼻歌で歌うのは容易いですが、拍子に合わせてきっちりクラリネットで演奏するとなるとメトロノームが使えないので、本当に難しいです。先生は三角形を描きながら歌うよう指導されそれもかなりしたのですが、メトロノームでやるように何度も気軽に繰り返すわけにはいきません。そんなこともあっていつも不十分な状態でレッスンに望み、納得できるレッスンが受けられない状況が続いていました。そこで私は原点に戻るために、先に挙げた2つの演奏をじっくりと聞いてみました。それで感じたことはピアノ伴奏に合わせるような感じではなく、感覚的にここで2番目の音に入ろうという感じで入れば上手く行くということでした。さんにーの真ん中あたりのピアノ伴奏を聞いて入るというのでは、耳で聞いてそれに反応して指を動かして(そこに移動しておいてもキーを押すのは音を鳴らす時です)息を吹き込むのでどうしてもタイムラグが生じてずれてしまい後の演奏に影響が出てしまうのです。それで曲全体を把握して、2番目の音を鳴らすところを決めそこで息を入れることにしました。拍子に合わせずここぞというタイミングで息を吹き込むのです。私は今日のレッスンの初めに先生に、最初の入りをきっちりするために何度も練習するのではなく、ここで2番目の音を鳴らせばうまく行くというタイミングでクラリネットを吹きその後も少々の間違いは問題とせず最後まで演奏したい。ただし間奏のところは入るタイミングなどほとんどわからないので一から教えてほしいと先生にお願いしました。前回のレッスンでは間奏の32分音符のところが上手く吹けなかったのでレッスン前の練習でたっぷり練習しました。そうして1番の歌、間奏、2番の歌、最後のカデンツァをほぼ通しで演奏したのですが、意外なことにそこそこ伴奏に合わせて演奏することができたのでした。先生は、最初からFさんの好きなように演奏したのではピアノ伴奏に合わせられません。今の伴奏は入りのところは上手く入れていましたが、その後は演奏に支障が出ないようにこちらでテンポを早めたりゆっくりしました。本番で伴奏される先生もFさんの演奏に合わせるためにテンポを変えるでしょうが、Fさんは同じテンポで演奏して(もちろん感情移入のため自分の意志でテンポを変えるのは認めますが)演奏をより良い完成されたものにしてくださいと言われました。その後もう一度先生の伴奏で演奏したのですが、今度も入りがうまく行き、間奏も何とか吹くことができ、カデンツァもそれなりに吹けたので、俄然やる気が出て来ました。本日のレッスンが終わった後は明るい気持ちになり口も軽くなりました。私は先生に、5月14日のフラワーコンサート楽しかったです。ブラームスのクラリネット・ソナタ第2番の先生の演奏を聞かせていただきましたが、素晴らしかったです。第1番を以前にコンサートで演奏されたのなら、もう一度取り上げてください。でも私が一番聞きたいのは、ピアノ伴奏のモーツァルトのクラリネット協奏曲ですと言うと、先生は、(長い曲をコンサートで演奏するのは?)大変なんですよと笑顔で言われました。