2025年5月20日
5月18日に谷上先生のフラワーコンサートが奈良の富雄で開催され行って来ました。いつもピアノ伴奏の女性とデュオで演奏されるのですが、今回も宇賀治さんという女性の方でした。今回のプログラムにブラームスのクラリネット・ソナタ第1番があり、先生はピアノ伴奏がとても難しい曲ですと言われたのですが、そんな難しい伴奏でも先生の明るい自然な演奏を支えておられました。谷上先生の演奏は激しい感情豊かな演奏ではありませんが、難曲を難なく演奏されしかもほっこりと温かい気持ちになると言う素晴らしい演奏です。50人の席に8割くらいの入場者だったので、次回は私から告知をしようかなと思いました。
本日もレッスン前に先生と少し話をしました。私は最近、大学生の頃にドイツ語を習った先生から面白いから読んでみたらと言われた、ホメロスの『イーリアス』『オデュッセイア』を読みました。どちらも興味深く、他のギリシア・ラテン文学も読んでみたいと思い、クセノポンの『アナバシス』『ソクラテスの思い出』を読みました。ラテン文学も挑戦してみようと思い、ウェルギリウスの『アエネーイス』を今読んでいるところですが、気になる人名が出て来ました。それはカルタゴの女王ディドです。この女王は困っているアエネイアース(アエネイス(アエネーイス)はアエネイアースの歌のこと アエネイアースはトロイ戦争で敗戦したトロイの武将で漂流しやがてローマの礎を築く)を助けたのですが、ローマの建国を志すアエネイアースは彼女を残して旅立つことになります。裏切られたディドは悲しみのあまり命を断ちます。こういった悲惨な話を作曲した人がいて、劇的な場面があるからかハッセ他何人もの作曲家が「捨てられたディド」で作曲していますが、やはり有名なのはタルティーニのヴァイオリン曲です。10分程の短い曲ですが、この曲が、オイストラフのブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番のアナログレコードでカップリングされていて、私にとっての長い間の謎となったのでした。当時は「捨てられたディド」って何とは思ったのですが、気軽にネット検索できる時代(1988年頃)ではなかったので調べることはなかったのです。『アエネイス』を読んでいて、ディドの悲惨な話を読み、もしかしたら「捨てられたディド」というのはカルタゴの女王のことではないかと思ったのでした。そんな私の長い話を先生はにこにこしながら聞いて下さったのですが、その先生に私は2枚のCDをお貸ししました。ひとつはチューバ奏者ロジャー・ボボの「チューバ・リベラ」というもの、もう一つはアルトゥール・ルービンシュタインのマズルカ全曲(私は作品7の1が好きです)を演奏したものです。
本日のレッスンは「ソルヴェイグの歌」の歌の部分の調性であるロ短調(♯2つ)とラララの部分の調性であるロ長調(♯5つ)の両方の音階、三度進行、和音をまず最初にしました。リードの取りつけが良くなかったのか、途中から割れたような音がしました。リードの湿り具合によって音が割れたりかすれたりすることがありますと先生が言われたので、私は本番でそんなことになったらどうしようかと思いました。実際、かすれた音になってなかなかいつもの音が出ないことがたまにあるのです。先生が、前奏をピアノで弾かれたので私は先生の伴奏に合わせて演奏しました。前回言った歌とラララの間や一番と二番の間についてや、歌の後半のところでフェルマータが入るところでは3拍くらい取るのがいいと先生から指導がありました。先生は、もうかなり仕上がっていますから、ラララのところを♩=96まで早く演奏できるよう頑張ってみてくださいと言われました。私は ファラド ファラド ファラド シのところを早く吹くのは難しいですと言うと先生は、そこはピアノ伴奏が入らないところですから、Fさんが自由なテンポで演奏されたらいいですよと言われました。♩=82でも吹けなかったのに吹けるだろうかと思いながらレッスンを終えました。