三日続けて比良を楽しむ

私は4連休が取れるということで、連休前から、今年は連続して比良登山をしてみようと考えていました。最初の予定では、4日連続で比良に行き、4日目には坊村から武奈ヶ岳山頂に登り釈迦岳を経由してJR北小松駅に行こうと考えていましたが、残念ながら、5月6日は雨模様となったため登山を諦めたのでした(かなりへばっていたのも、否めませんが)。
3日間のおおよそのコースと所要時間を書きますと

1日目 JR志賀駅ー大谷川登山口ー荒川峠ー烏谷山ー葛川越ー比良岳ー木戸峠クロトノハゲー蓬莱山ー小女郎ヶ池ーJR蓬莱駅(約10時間)

2日目 JR比良駅ーイン谷口青ガレ金糞峠八雲ヶ原武奈ヶ岳ワサビ峠中峠ー金糞峠ー青ガレーイン谷口ーJR比良駅(約8時間)

3日目 JR比良駅ーイン谷口ー大津ワンゲル道釈迦岳北比良峠シャクナゲ尾根ー金糞峠ー堂満岳ノタノホリ池ーJR比良駅(約9時間)

となり、主要なところはほぼ回れたと思います。天候は、晴天とは言えなかったのですが、1、2日目は比較的すごしやすく、空気が澄んでいたので遠くまで見渡すことができました。しかし3日目堂満岳を下り始めた頃(午後2時50分頃)から冷たい雨が降り出し、半袖シャツしか持たず雨具を用意していなかった私には寒くて不安な下山となりました(天気予報で曇りと言われても、このようなことを避けるためには、雨具、長袖シャツは携帯するべきでした) 。それでもシャクナゲ尾根や堂満岳ではシャクナゲが見頃で、ハイカーの満足した笑顔に多く出会うことができました。

1日目
このコースは一昨年のゴールデンウィークに来て道に迷ったのですが、どうもここは私にとって鬼門のようです。前回と同様に烏谷山までは滞りなくやってきたのですが、烏谷山で進路を誤りました。6、7名の50〜70才位の団体が山頂で休まれていて、頻りにここに座るようにと勧められるのをお断りして通り過ぎたのがいけなかったように思います。左に曲がらないといけないところを真っ直ぐ行ってしまいました。途中、擂鉢山山頂との表示がありましたが、気にせずその先を下りて行きました。それから10分余り下りばかりが続くのでさすがに変だと思い、烏谷山に戻ることにしました(ずっとマーカーはありました)。この間のロスした時間は1時間20分、この時点でかなり疲れて来ました。烏谷山まで戻ると私と同様、進路をどうすればよいか迷われてる方がおられ、私の体験談をお話ししました。私の話が少し役に立ったようだったので、気分を取り直して先を続けることができました。比良岳、木戸峠を過ぎようやく蓬莱山に着くと、午後2時30分頃になっていました。当初の計画では、蓬莱山、金ピラ峠を通って下山する予定でしたが、余力があり時間的にも可能と思ったので、小女郎ヶ池、薬師滝を経由してJR蓬莱駅に出ることにしました。この時も無計画な行き当たりばったりの登山に対する戒めを受けました。途中で出会ったご夫婦のハイカーも言われていたのですが、最初のところでかなり急で滑りやすい道を4、50分下らなければならず、疲れていた脚にはかなりこたえたのでした。それでも午後5時30分過ぎにJR蓬莱駅に着くことができたので、ほっとしました。

2日目
2日目のコースは毎年、槍・穂高登山のトレーニングのため今までに30回以上(平成15年から年5回は来ており、それ以前にも何回か来ている)通ったコースでした。青ガレ、八雲ヶ原湿原、武奈ヶ岳など魅力的な場所が多く、ハイカーが他のコースより多いため(前日は烏谷山に着くまでに一人しか会いませんでした)、安心して行けるコースと言えます。青ガレは落石注意と書かれた立て看板があり、よく大丈夫かと尋ねられます。私が思うには、青ガレから金糞峠にかけての道は険しく油断していると足を負傷したりするのですが、間隔を充分とっていれば万一石が転がり落ちて来たとしても大丈夫だと思いますし、私は今まで比良で落石に遭ったことはありません(大きな地震の直後は気をつけた方が良いかもしれませんが)。八雲ヶ原湿原、武奈ヶ岳山頂はリフトやロープーウェイがあった頃から人気があった場所ですが、八雲ヶ原はキャンプ施設がなくなってからは立ち寄る人もめっきり減りさみしい気がします。一方、武奈ヶ岳山頂は今でも人気があり、この日も3、40名のハイカーがおられました。下山の際の楽しみは2つあります。ひとつは山頂から20分余り続く、遮るものが何もない尾根歩きです。さわやかな風に吹かれながら、そこを歩くとそれまでの疲れもどこかに行ってしまいます。もうひとつは、中峠から金糞峠にかけてする、沢下りです。清流を時には横目で見、時にはそれと遊びながら下りて行くのはいつもながら楽しいものです。金糞峠から青ガレにかけての下りは道が険しく、注意が必要です。今日はいつもと違って、写真を撮りながらの登山でしたので、1時間程長くかかり、JR比良駅に着いたのは午後3時40分頃でした。

3日目
大津ワンゲル道に来たのは、これで3回目です。初めて来た時は、途中で出会った、このコースに何度も来られている体力のある方と一緒に登りました。話が弾んだためいつものようにマイペースで行くことができず、釈迦岳山頂まで何とか遅れないように着いて行ったという感じでした。2回目の時はガスがひどく見通しの悪い中での登山でした。前の2回は、釈迦岳山頂に着いた後、ヤケ山からJR北小松駅に出るコースでしたが、この日はシャクナゲを見たいと思い、北比良峠を経て、シャクナゲ尾根、堂満岳へと向かいました。それまでちらほらとシャクナゲは見掛けていましたが、金糞峠近くのシャクナゲ尾根と堂満岳山頂近くには非常にたくさんの色とりどりの(ピンクの濃淡の)シャクナゲを見ることができました。金糞峠は今まで30回以上来ているのですが、そこから10分程行ったところにシャクナゲ尾根があることは知りませんでした。来年からは、シャクナゲの花が咲く頃には、八雲ヶ原湿原に行く前にシャクナゲ尾根に足を伸ばそうと思いました。堂満岳山頂までは楽しい登山で疲労が蓄積していたのも気になりませんでしたが、下り始めた途端に降り出した雨には少し慌てました。朝の天気予報では曇りで午前中は晴れ間もあったので、だんだん暗くなる空に不安が募りました。それに初めての下り道であったのでどれほどの道のりで危険な道なのかがわかりません。またいつ雷雨になるかもわかりません。リュックに入りきらないので、雨具を持って来なかったことを悔やみました。それでも1時間30分ほど下るとノタノホリ池に着き、午後4時50分にはJR比良駅に到着しました。

いつものことながら自分の未熟さを感じさせ、また体力も使い果たした登山でしたが、比良の魅力を改めて感じることができ本当によかったと思います。1日目に最初に出会った方は東京から来られた方でした。日本一の湖、琵琶湖を望む比良の風景は雄大なものであり、そこに息づく花や鳥も魅力的なものなので、少しでも多くの関西の人が、比良を訪れそのすばらしさを体験していただければと思いました。

 

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