ディーリアス●「フロリダ」組曲
 
ディーリアスという作曲家に興味を持ち始めた頃、バルビローリ指揮ハレ管弦楽団のディーリアス管弦楽作品集で

この作品の一部を聴き(「ラ・カリンダ」という曲名で第1楽章の後半が演奏されていた)、興味を持った。後

に、「フロリダ」組曲の一部であることを知り、日本盤の全曲盤を購入した。それから10年程してから、大阪の

中古レコード店でビーチャム指揮ロイヤル・フィルの外国盤を購入した。この、外国盤のジャケットが、本当に美

しい(フラミンゴの絵の描かれた、カラフルなジャケット)。曲も、演奏も、装丁もすばらしいレコードとして、

一時、よく聴いた。曲は、4つの楽章に分かれ、それぞれ標題がつけられている。第1楽章「夜明け」、第2楽章

「河畔にて」、第3楽章「夕暮」、第4楽章「夜に」で、私は、第1楽章の、夜明けの描写のすばらしさが、聴き

所であると思う。特に、オーボエで奏される旋律は、懐かしい気持ちにさせる旋律で、曲に引き込まれる。ディー

リアス25才の時の作品で、フロリダの自然描写と退廃的で甘美な旋律が、聴く人の心をとらえる作品であるが、

この曲を、これほど魅力あるものにしたのは、ビーチャムの功績である。

 

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