ヘンデル●「王宮の花火の音楽」
ヘンデルの管弦楽作品として「水上の音楽」が有名であるが、あまり聴かない。曲と曲とのつながりがなく、小品
の集まりのような気がするからである。それに対し、この曲は連携していて、最初から最後まで緊張感を持って聴
くことができる。ストコフスキーが、この曲の最後で花火の実況録音を多重録音したレコードを出しており、何か
と批判の多いレコードであるが、私は演奏自体良いと思うので、目下、リビング・ステレオ等の音の良い外国盤を
探している。他に、パイヤール盤やコレギウム・アウレウム盤を持っているが、現在の愛聴盤は、フィリップ・ジ
ョーンズ・ブラス・アンサンブルが演奏したもの。管楽器と打楽器のみのメリハリのある演奏は、バロック音楽に
新鮮な血を注入し、生き生きとした音楽にしている。「ブラス」と言えば、同名の映画が数年前に封切られ、上映
の映画館は、連日長蛇の列だったということを聞いたことがある。炭鉱の町にある企業のブラスバンドが不況の煽
りを受けて、廃部になりかけるが、団員の力で立ち直り、コンクールで優勝するというストーリーであるが、結末
は、少し考えさせられるものになっている。