ホルスト●組曲「惑星」作品32
純粋なクラシック音楽ファンの人からこうもりのように思われたくないので、他の音楽のことを書かなかったが、
セミ・クラシックやクラシック音楽をキーボードで演奏した音楽もよく聴く。特に、富田勲のドビュッシー作品集、
「展覧会の絵」、「惑星」等は、私がクラシック音楽に全然興味がなかった頃から面白がって聴いていたので、
いわば古い友人のようなものである。ドビュッシー作品集や「展覧会の絵」は、それ以前にも自由な編曲をしたも
のがあったので問題はなかった。しかし、「惑星」は、最初のところに打ち上げのシーンを入れたりして、芸術的
というよりもマンガ的になっていたのが気になる。と言っても、このレコードが出た当時、私は幼稚な高校生だっ
たので、打ち上げシーンで宇宙人が歌う、木星のテーマを友人と面白がって口ずさんだりした。では、愛聴盤はこ
のレコードかと言うと、そうではない。ボールトやカラヤンの名盤と呼ばれるレコードも持っているが、物足りな
い。マリナーやショルティのレコードもオーディオ・チェック用のレコードといった感じが強く、好きになれなか
った。愛聴盤は、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団のレコード。曲の流れが自然で、満天の星空を想起
できる大きな演奏である。