モーツァルト●セレナード第10番変ロ長調K361「グラン・パルティータ」
この曲の楽器編成は、コントラバスあるいはコントラファゴット 1、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴ
ット 2、ホルン 2、フルート 2、バセットホルン 2の13の楽器で、そのため13楽器(管楽器)のため
のセレナーデとも呼ばれる。モーツァルトは、二十数曲の弦楽四重奏曲や6曲の弦楽五重奏曲のように弦楽器だけ
による室内楽曲も優れたものが多いが、それに管楽器が加わると、華やかさが加わり、より充実したものになる。
クラリネット五重奏曲、オーボエ四重奏曲、フルート四重奏曲等は、その良い例である。また、「ナハトムジーク」
等管楽器だけのセレナードやディヴェルティメントにも良い曲が多い。愛聴盤は、以前は、マリナー指揮アカデ
ミー室内管弦楽団が演奏したCDを聴いていたが、5、6年前に、クレンペラー指揮ロンドン管楽アンサンブルの
レコードを購入した。演奏も、録音状態も良く、今では、「グラン・パルティータ」と言えば、このレコードを聴
く。各楽器の音がそれぞれきれいに分離して聞こえ、しかも、オーボエは官能的に、クラリネットは饒舌に、フル
ートは美しく、ホルンは力強く、ファゴットは優しく聞こえる。楽器の美しい音色が、美しい旋律で満喫できるの
が、このレコードである。