モーツァルト●セレナード第12番ハ短調K388「ナハトムジーク」
 
モーツァルトは、ホルン、オーボエ、クラリネット、ファゴット各2の編成で、セレナード第11番と同第12番

を作曲している。モーツァルトは、交響曲、管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、ピアノ独奏曲、歌曲、オペラと幅広く

名曲を残しているが、管楽器のみの小編成の作品にも佳曲を多く残している。この曲の他に、オーボエ、ファゴッ

ト、ホルン各2の編成のディヴェルティメント第8番・第9番・第12番・第13番・第14番やクラリネット 

2とファゴット 1で演奏される、ディヴェルティメント第1番〜第5番も傾聴に値する曲だと思う。セレナード

第12番は、「ナハトムジーク」(夜曲)という標題がつけられることがあるが、この曲のイメージに合致してい

ると思う。愛聴盤は、もちろん、ウラッハを中心にした、ウィーン・フィル木管グループの名演。緻密な木管合奏

による演奏の中にも、素朴な音が奏でられ、聴く人を虜にしてしまう。特に、この曲の第2楽章は、旋律が美しく

しかもアンサンブルがすばらしく、モーツァルトの音楽の偉大さを再認識できる。編成が余り大きくない曲の中に

もモーツァルトの音楽の精髄は見つけられる。

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