チャイコフスキー●弦楽セレナードハ長調作品48
 
私が、クラシック音楽を、腰をすえて聴き始めた今から22、3年前、この曲のマリナー指揮アカデミー室内管弦

楽団のレコードが、FM放送でよく流れていた。すぐにこの演奏が気に入り、いくつかのレコード店を見て回った

が、見つからなかった。重厚な弦楽合奏を一つの楽器のように聴かせてくれる演奏は、当時聴いていたラジカセで

聴いても、甘い調べだった。一糸乱れぬ演奏のこのレコードのことを考えると、出だしのところの旋律が心の中で

響き出す。この曲は、まず、第1楽章の冒頭の重厚な弦楽合奏に心を動かされ、その楽章の最後まで、感動が持続

する。次に、第2楽章のワルツの美しさに、耳を奪われてしまう。第3楽章・終楽章も美しい旋律にあふれ、終楽

章の最後のところで第1楽章の冒頭の旋律が再び現れ、曲を締めくくる。カラヤン、オーマンディ、ヴァルガ、ス

ベトラーノフ等のレコードも持っているが、やはり、マリナー盤がすばらしい。マリナーは、その後、フィリップ

スにデジタル録音したが、やはり、1968年にデッカに録音したレコードの方が優れている。最近になってよう

やく、日本盤を購入したが、是非、オリジナル盤を入手したいと思う。

 

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