ワーグナー●ジークフリート牧歌
 
ワーグナーの管弦楽作品は、オペラの序曲や前奏曲が多いが、この曲は、愛する息子ジークフリートのために作曲

された、例外的な曲である。ワーグナーは、大恋愛の末、指揮者ビューローの妻であり、リストの娘であったコジ

マと結婚した。彼が、56才の時に、彼らにとって3人目の子となるジークフリートが生まれた。この曲は、彼の

最愛の息子の1才になったのを祝って、作曲されたものである。ワーグナーの音楽に心酔する人たちのことをワグ

ネリアンと言うが、一般の人には、「ニーベルングの指輪」をはじめ、長大なオペラを聴くのは大変なので、まず

この曲や序曲、前奏曲の入った管弦楽曲集を聴いてみると、理解しやすいかもしれない。私の場合、じっくりと

腰を据えてワーグナーを聴くよりも、他の作曲家の作品を色々な演奏で聴きたいと考えているので、ワグネリアン

にはなれそうにない。20分程の短い曲であるが、最愛の息子が無事成長することを祈って作曲された、愛情に満

ちた曲である。愛聴盤は、ショルティがウィーン・フィルを指揮したもの。ショルティは、ワーグナーの作品を数

多く録音した。ワーグナーのことを最も理解している指揮者による演奏と言える。

 

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