ベートーヴェン●ピアノ・ソナタ第15番ニ長調作品28「田園」
 
この曲は、一貫して田園地帯を歩いているイメージがあり、居ながらにして心地よい春の日差しをあびながらゆっ

たりとしている気分になれる曲である。休日に家にこもってクラシック音楽ばかり聴いていた私を、少し遠出をし

て自然に触れてみたいと思わせたのもこの曲である。最初は、自転車に乗って山道(急ではあるがアスファルトは

しいてある)を走るようになった。次に登山靴を買って、初心者向きの山に登るようになった。今は忙しくて数ヶ

月に一度山登りに行くくらいになってしまったが、愛らしい高山植物があちこちに見られる初夏の頃に、伊吹山に

でも行けたらいいなと思っている。愛聴盤はグルダのレコードであるが、グルダは絶妙のタイミングでピアノを演

奏するので、自然がそのまま音になっているようである。風の音、雨の音、木のゆれる音、川のせせらぎの音、鳥

の鳴き声等が、グルダのピアノによって再現される。クラシック音楽ファンの方に是非お勧めしたいことがある。

それは、交響曲やオペラに食傷気味になったら、一度田園ソナタを聴いてみて下さいということ。きっと、山の空

気を吸いたくなり、思い切って出かけます。自然の雄大さに触れたら、新しい考え方ができて、万事がはかどるこ

とになります。

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