ショパン●24の前奏曲作品28
 
コルトーのオリジナル盤を持っていて、2年に1回くらい聴く。技巧の点では現役ピアニストの方が上であろうが、

独特の味わいがある。古き良き時代の懐かしい香りが残っているようで、それに会いたくなった時にかけたくな

るようだ。コルトーは、ティボーとフランクのヴァイオリン・ソナタ他の名演を、ティボー、カザルスとベートー

ヴェンの大公の名演を残しているが、コルトーのレコードを一枚選ぶとすれば、この曲の入ったレコードになる。

ただこのレコードは、音質に問題があることと華やかさに欠ける点で、比較的新しいものの中に愛聴盤を探したく

なる。私がこの曲を聴き始めた当時、3つの推薦盤が雑誌に掲載されていた。アシュケナージ、アルへリッチ、ポ

リーニであった。アシュケナージとポリーニは、練習曲集の演奏がもう一つ好きになれなかった(吉田秀和さんご

めんなさい)というただそれだけで、アルへリッチを選んでしまった。練習曲集の愛聴盤を未だ持たないから、ア

シュケナージとポリーニには、少し酷な判断をしたのかもしれないが、アルへリッチの前奏曲集を購入したのは間

違いではなかった。今では、ドイツ盤を入手し、3ヶ月に1度くらい聴いている。

 

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