ショパン●バラード全曲
ショパンと言えば、ルービンシュタインの演奏が最も優れていると言われるが、果して、そうなんだろうか。この
バラードに関して言えば、第1番は熱演と言えるが、他は普通の演奏だと思う。私は、無名のピアニスト、ヴィク
トル・エレシコを聴くまでは、第1番と第4番だけが名曲で他は誰がひいても同じと思っていた。しかし、エレシ
コは、どの曲も情感豊かにしかも正確に演奏しているために、4曲全てがすばらしい名演になっており、4曲全て
が名曲であることが確認できる。特に、第2番は短い曲なので、物足りなく思っていたが、エレシコの演奏を聴く
とバラード全4曲の重要な部分であることがわかる。全体を通して言えることは、音質が良いため、大きな音でも
決して歪まないということ。古い録音ではひとかたまりの音になって聞こえ、それが歪んで聞こえると、聴く意欲
がなくなってしまうが、このレコードにはそういったことが一切ない。またエレシコは、旋律をよく歌わせている。
口ずさめるような旋律をもとにしてこの曲が出来ていることがよくわかる。一音一音を大切にし、旋律の美しさを
自然に聴かせることのできるエレシコの演奏をもっと聴きたい。