ショパン●ワルツ集
 
リパッティのレコードを聴いていたが、いつも物足りなく思っていた。ある日、神戸の中古レコード店らるごに行

くと店主の阪口昭夫さんが、ノヴァーエスのショパンはいいよと教えて下さった。しばらくして別のレコード店で、

ワルツ集を見つけたのでさっそく購入した。多分オリジナルに近いからだろう、音が非常に良い。ピアノの輝きの

ある音が実際以上に良く聞こえる。演奏は華やかであるが、節度のあるものである。ノヴァーエスは、ブラジル人

でヴォックスにショパンの作品をいくつか録音しており、後にピアノ協奏曲第2番のレコードも購入し、これもす

ばらしい演奏なので愛聴している。ピアニストはそれぞれ得意な作曲家を持つようで、特にショパンひきと呼ばれ

る人は多い。私個人の意見であるが、ピアニストは一人の作曲家を極めてほしいし、ハイペースで録音するのでは

なく、じっくりと時間をかけて満足するものを作り上げてほしい。そして練り上げた技巧をコンサートで披露して

ほしい。オールマイティよりむしろ、得意な作曲家の作品を掘り下げたほうが聴衆としてはありがたいのではない

だろうか。

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