シューベルト●即興曲集D899 同D935
シューベルトは、即興曲を8曲(D899とD935に各4曲)残しているが、どの曲も心をゆさぶる美しい曲で
ある。なぜ、シューベルトの曲の多くはこのように人の心を動かさずにはいられないのだろうか。わずか31年余
りの人生の間に様々な種類の音楽を残している。彼の伝記等を読むと、決して恵まれた一生ではなかったことがわ
かるが、無限にわき出る泉のように、涸れることなく美しい旋律を書き続けた。シューベルトは、音楽教師をして
いたと聞くが、音楽以外のことをすることはなかったのだろうか。モーツァルトのように贅沢な生活や旅から発想
したり、ベートーヴェンのように多くの後援者を持ち頑なに時間的ゆとりを持って作品を生み出したわけではない。
シューベルトは、わずかな期間に非常にたくさんの曲を書いた。生活が豊かになるわけでもなく、後援者ができ
るわけでもないのに。休むことなく、わき目もふらずに、心に残る音楽を書き続けたシューベルトの、創作活動の
エネルギーの源は一体何だったのだろうと思う。愛聴盤は、ノエル・リーのレコード。神戸の中古レコード店らる
ごにはじめて行った時に購入した。