シューマン●子供の情景作品一五
全13曲からなり、第7曲の「トロイメライ」はその中でも特に有名である。「トロイメライ」はピアノ独奏、ヴ
ァイオリンあるいはチェロとピアノの共演、オーケストラの演奏、どのような演奏形態であっても、演奏者にこの
曲を大切に演奏しようとする心があれば、即名演となる。単純明快な曲だけに、途中淀みがあったり、アンサンブ
ルに狂いが生じると夢見るような思いが一変に無くなり、現実に引き戻されてしまう。他の曲も、短いが愛らしい
曲ばかりである。シューマンは、1840年にクララと大恋愛の末結婚するが、子供の情景が作曲されたのは、1
838年でクララとの恋愛も思い通りに運ばず、子供のことを考えられなかっただろうに、なぜこの曲ができたの
か不思議に思う。が、もしかすると、クララとの将来に明るい萌しが見え始めたので、子供好きのシューマンが将
来生まれて来る自分の子供のことをあれこれ考え、音楽にしたのが「子供の情景」なのではないだろうか。愛聴盤
は、ホロヴィッツ盤。名曲の名盤なのでなんとしてもオリジナル盤がほしいが、今のところ日本盤を聴いている。