ベートーヴェン●交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
 
ベートーヴェンは9曲の交響曲を残しているが、その中で最初の大規模で独創的な交響曲である。最初、ナポレオ

ンに捧げられるはずであったが、ナポレオンが皇帝の地位についたため、ベートーヴェンが、献呈することをやめ

てしまったことは有名な話しである。ベートーヴェンが楽譜に、ある英雄の思い出のために、と書いたことから英

雄交響曲と呼ばれている。曲のイメージとしては、第1楽章は軍隊の進軍、第2楽章は葬送行進曲で斃れた兵士た

ちを弔う英雄の姿、第3楽章スケルツォは再び進軍、終楽章は凱旋した英雄の姿が描かれているように思われる。

やはり、ベートーヴェンの交響曲の名盤と言えば、フルトヴェングラーを抜きにして語れないが、「英雄」につい

ては、二つの名盤がある。一つは、1952年にウィーン・フィルを指揮したもの。もう一つは、ウラニアのエロ

イカと呼ばれる、超レア盤で、価格が25万円は下らないと言われるもの。ウラニア盤は1944年にウィーン・

フィルを指揮したものだが、特殊な録音をしているため、聴く人を異常な興奮状態にさせると聞いたことがある。

ウラニア盤は未聴であるが、同じ音源のメロディア盤を持っている。これだと、ティンパニーの音が目立つくら

いで、興奮はしない。

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