マーラー●交響曲第3番ニ短調
この曲は演奏時間が90分以上かかり(第1楽章だけで30分以上かかる)、6楽章からなる大曲である。マーラ
ーの交響曲は長くて、暗いものが多く、私は、第3番、第4番、「大地の歌」しか聴かない。この曲は変化に飛ん
でいることもあって、一気に最後まで聴くことができる。両端楽章のすばらしさはもちろん、第3楽章のトランペ
ットのソロや第4楽章のソプラノ独唱等の聴きどころもある。最初に聴いたのはアバド盤で、終楽章の弦楽合奏の
美しさにしびれた。次に聴いたのはショルティの旧盤、音質、内容共に充実した録音で、カセットテープも販売し
ていたので、ラジカセで気軽によく聴いた。現在の愛聴盤は、ホーレンシュタインがロンドン交響楽団を指揮した
もの。スケールが大きいのと、オリジナル盤のため音が良く、終楽章はあまりの美しさのためにため息が出るほど
だ。マーラーは、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、チャイコフスキー等のように美しい旋律が次々
と思い浮かばず、同じ旋律を他の曲に使用したりしたが、指揮者として多忙だったので、無理からぬ事と思う。