モーツァルト●交響曲第38番ニ長調K504「プラハ」
モーツァルトは交響曲を41曲作曲しているが、演奏される機会が多いのは、映画『アマデウス』で有名な第2
5番、第35番「ハフナー」、第36番「リンツ」、第38番「プラハ」そして第39番、第40番、第41番の
三大交響曲と呼ばれているものの7曲である。三大交響曲は別格としてこれらの中では「プラハ」が、私は好きで
ある。第1楽章に「魔笛」の序曲に出てくる旋律に似た部分のある、この親しみやすい交響曲は、両端楽章は楽天
的なムードにあふれている。プラハで歌劇「フィガロの結婚」の公演が成功をおさめ、30才のモーツァルトが喜
びに満ちた気分で書き上げた曲であるから、当然かもしれない。モーツァルトの交響曲はほとんどが、30分以内
で終わってしまうので、マーラーやブルックナーと言わずとも、ブラームスやチャイコフスキーの交響曲をよく聴
く私にとっては、少し物足りない気がする。内容的にではなくて時間的なもので、曲が盛り上がっていけるのにな
あといつも思うのである。特にこの曲は、二〇数分で終わり、3楽章しかない交響曲なので、もう少しがんばって、
もっと喜びにあふれた曲にしてくれていたらなあといつも思うのである。愛聴盤はワルターがコロンビア交響楽団
を指揮したもの。