モーツァルト●交響曲第39番変ホ長調K543
オーボエが用いられず、第3楽章のクラリネットのソロが印象的な、この美しい交響曲をベーム盤で楽しんでいる。
しかし、マルツィ盤モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第4番のレコードの裏面に入っている、ヨッフムがバイ
エルン放送交響楽団を指揮したものも良い演奏だと思われる。思われると記すのは、一部分針が飛ぶからである。
今まで購入した中古レコードの中に数枚そういうのがあった。その場合、彫刻刀の先で溝を削り、何とか飛ばない
ようにしてきたが、このレコードはどうしても飛んでしまうので、いまだに満足に聴けないでいる。しかし、第1
楽章の重厚な演奏は捨てがたく、この演奏の入った他のレコードを探しているところである。ヨッフムは最晩年に
出したベートーヴェンの交響曲全集が高い評価を受けていたので、私も「運命」のレコードを購入しよく聴いた。
他にブルックナーの「ロマンティック」も持っているが、ほとんど聴かない。私自身アクの強い演奏を好むので、
ヨッフムのような標準的な演奏は物足りなく感じるのだと思う。しかし、この曲はヨッフムの思い入れが強いの
で、いつもと違うヨッフムが聴ける、稀有なレコードなのである。