R・シュトラウス●アルプス交響曲作品64
 
R・シュトラウスは、音にできないものは何もないと言って、「家庭交響曲」で家庭のことを、「ツァラストゥラ

はかく語りき」でニーチェの哲学を音楽にしようとしたが、とてもわかりにくい。しかし、この曲は標題とぴった

り一致して、聴きやすい曲である。冒頭と半ばで演奏される有名な旋律は雄大なアルプスの情景を思い浮かばせ、

多少の困難はあっても、聳え立ち連なる山々を高いところから眺めてみたい気持ちにさせる。私は、御在所岳、武

奈ヶ岳、伊吹山、金剛山、大台ケ原等の関西の山と上高地にしか行ったことがないので、穂高連峰、北岳、八ヶ岳

等に登ってみたい。それらの山の頂上に立って、遠くに連なる山々を眺めれば、アルプス交響曲の旋律が、心の中

で鳴り響くのではないだろうか。以前は、ショルティ盤やメータ盤を聴いていたが、現在の愛聴盤はベームがザク

セン国立管弦楽団を指揮したものをよく聴く。R・シュトラウス自身もこの曲を、バイエルン国立歌劇場管弦楽団

を指揮して録音しており、時折私も聴くが、1941年録音のため音は悪いが演奏はすばらしい。

 

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