サン=サ―ンス●交響曲第3番ハ短調作品78「オルガン付き」
第2楽章で牧歌的な旋律を、第4楽章で勇壮な旋律をパイプオルガンで奏でる、この交響曲は、サン=サ―ンスの
作品の中で、私が最も好きなものである。第2楽章ののんびり落ち着いた気分にさせるところも気に入っているし、
第4楽章のオルガンの響きは気持ちを高揚させてくれる。ミュンシュ指揮ボストン交響楽団のレコードを手始め
に、オーマンディのRCA盤、オーマンディのテラーク盤、マルティノンのエラート盤、スワロフスキーのウラニ
ア盤の5枚を順次購入し、持っている。ミュンシュ盤の音のいいものを、と思っていたところ、リビングステレオ
を最近になって入手した。オルガンの音色は、教会音楽の伴奏をするところから、宗教的な香りが漂う、また、バ
ッハのように自らの宗教曲を編曲したものもある。これらの曲を教会で聴ける人々は、なんて恵まれているんだろ
うと思う。静寂の中から静かに涌き出てくるオルガンの音を聴くだけで、心が洗われ、精神が落ち着く。そんなオ
ルガンの音を、効果的に使ったのが、この交響曲である。