シューマン●交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」
大学の入学式の冒頭で、この曲の第1楽章を、大学のオーケストラ(立命館大学交響楽団)が演奏するのを聴いて、
非常に感激したことを今でも覚えている。演奏も良かったし、当時よく聴いていたこの曲を取り上げてくれたの
が、非常にうれしかった。その頃は、FM放送でエアチェックしたテープを繰り返し聴いていた。セルがクリーブ
ランド管弦楽団を指揮したもので、今でも一番の演奏だと思っている。適度の金管楽器の輝きと、セルの解釈によ
る非常に引き締まった演奏が、ライン川の流れを淀ませることなく、一気に第5楽章まで聴かせてくれる。セルの
レコードが手に入らない間、ジュリーニ、クレンペラー、サバリッシュ等のレコードを購入したが、どれもセル盤
ほどの感動はない。両端楽章の激しいラインの流れの間に、第2楽章の穏やかなゆったりした流れ、牧歌的な雰囲
気の第3楽章、切り立った断崖を思わせる(ケルンの大聖堂を描写したと言われている)第4楽章と、ラインの流
れは変化に富んでおり、飽きさせない。現在は、セルの演奏をいい音で聴けるようにと、オリジナルに近い外国盤
を探しているところである。