シューマン●交響曲第4番ニ短調作品120
フルトヴェングラーの名演があり、学生時代によく聴いた。シューマン特有の暗澹たる中から這い出そうとするよ
うなところが好きで、その頃の応援歌として愛聴した。学生時代は、私が小学生の時に買ったチューナーとプレー
ヤー一体型で78回転も(SPレコードも)再生できる、ステレオでレコードを聴くか、ラジカセでテープを聴く
かだった(テープはもっぱらエアチェックしたものを聴いた)。その頃買ったレコードは滅入った心を鼓舞してく
れる、ベートーヴェン第5番・第7番・第9番、シューマン第1番・第3番・第4番、チャイコフスキー第5番、
ブラームス第1番・第2番、フランク、サン=サ―ンス第3番等の交響曲をよく聴いた。学生の時に聴いていたス
テレオは、回転が少し速めで、ウラニアのエロイカのような効果があり(ウラニアのエロイカというフルトヴェン
グラー指揮の「英雄」のレコードがあり、ピッチが少し速いため、熱狂的な演奏になると言われている)、私を熱
狂させた。今は、普通のステレオで聴くので、特殊効果を持つステレオでよく聴いた曲は、物足りなく感じる。恐
らく、頭の中に少し早い目の演奏が根付いており、普通の演奏を受け付けなくしているのかもしれない。