シベリウス●交響曲第2番ニ長調作品43
 
学生時代に、FM放送でオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の新盤がよく紹介されていて、重厚な金管楽

器の音に引かれて好きになった。今では、生きのよいオーマンディの若い頃の演奏(旧盤)が、愛聴盤であるが、

新旧どちらも、フィラデルフィア管弦楽団の金管楽器演奏のすばらしさをたんのうできる。フィンランドの国民的

英雄であるシベリウスは「フィンランディア」のような曲を作ることによって、人々の心にナショナリズムを喚起

させ、ロシアからの独立を勝ち取るための大きな力となった。他に「トゥオネラの白鳥」、「カレリア」組曲、

「悲しきワルツ」等も有名であるが、どの曲もすばらしい曲だと思う。この曲の第1楽章や第3楽章の終わりから

終楽章の初めにかけて、波の音を思わせるところがある。学生時代、夢想好きだった私は、その波に身をまかせる

木の葉の上にいる自分自身を想像し、行くあてのない心の旅を楽しんだ。この曲には、心を落ち着かせる何かがあ

る。その一つは渋い金管楽器の音であり、もう一つは、土の香りのする朴訥としたシベリウス特有の旋律にある。

この曲を聴きながら瞑想にふけるのも、若い時にはいいことかな、と思う。

  

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