シベリウス●交響曲第7番ハ長調作品105
シベリウス59才の時の作品で、単一楽章で演奏時間20分余りの短い交響曲である。この曲も、フィンランドの
自然を連想させ、心を落ち着かせる曲である。シベリウスは1865年生まれ。1902年、交響曲第2番を発表
した後は寡作になり、第7番を発表した1924年以降は、1959年に没するまで、ほとんど作品を作っていな
い。シューベルトが31才で、モーツァルトが35才で、ショパンが39才で没しているのを考えると、生きた年
数と作品数はまったく関係がないと言える。その作曲家が音楽に対する情熱を失わずにいたかによる。シューベル
トが600を超える歌曲の他、様々な作品をわずか31年余りの生涯で残しているのは驚嘆に値するし、天才であ
るとしてもモーツァルトが35年余りの生涯で、多岐にわたって活躍していることは偉大さを認めざるをえない。
ショパンもしかりである。シューベルト、、モーツァルト、ショパンには、ある種のハングリーな面があり、それ
が彼らの創作活動を推し進める力になった。シベリウスは30才を過ぎて、年金を支給され、ハングリーでなくな
ったことが、作品数の減少につながったのではないだろうか。愛聴盤は、C・ディヴィスがボストン交響楽団を指
揮したもの。