チャイコフスキー●交響曲第5番ホ短調作品64
この曲とは、長いつき合いである。ストコフスキー盤でこの曲を聴いて以来、最高の演奏として、他の演奏には目
もくれずに来たが、今後も変わらないと思う。ポルタメントの多用や終楽章の終わり方が不自然等の批判の多いレ
コードであるが、最初にこのアクの強い演奏を聴いてしまった私には、他の演奏が物足りない。ストコフスキーは
この曲を十八番にしていたようで、映画『オーケストラの少女』の中でもこの曲を演奏している。ストコフスキー
が、このレコードを録音したのが84才の時で、その後95才で亡くなるまで現役であり続けた。最初オルガン
奏者であったが、ロンドンで指揮者としてデビューした後、フィラデルフィア管弦楽団等の指揮でアメリカを中心
に活躍。1965年以降は、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィル等のイギ
リスのオーケストラを指揮することが多くなる。このイギリスのオーケストラを指揮したものが、1978年頃に
廉価盤で多く出ていて、私もいくつか購入した。今でもよく聴くのは、この曲の他、シェエラザードとワーグナー
の管弦楽曲集であるが、ストコフスキーのもう少し若い頃の演奏も聴いてみたい気もする。