ドヴォルザーク●ヴァイオリン協奏曲イ短調作品53
誰もがそうであるように、私も美人に弱い。だもんで、この曲のパイネマンがマーク指揮チェコ・フィルと共演し
たレコードのジャケットを見た時、即決して購入してしまった。購入した時に思ったことを率直に言うと、もし、
演奏がもう一つだったら、ポスター代わりに使おうと思っていた。ところが、内容もすばらしく、やや線が細いが、
丁寧でけれんみのない演奏は、ジャケットの写真からの想像どおりだった。クラシック音楽のレコードのジャケ
ットは、演奏家の写真の場合が多く、特に、協奏曲のレコードは、ソリストあるいはソリストと指揮者の写真が多
い。クラシック音楽のソリストには、容姿端麗の才媛が多いが、一目見て、内容がよいかどうかわからないレコー
ドを購入したのは、この時だけである。今は、パイネマンの他の写真が見られるようにと、他のレコードを探して
いるが、なかなか見つからない。クラシック音楽は、演奏が全て、ルックスなんて関係ないと考えていた私を、ル
ックスのいい人もいいなと思わせるようになったのが、パイネマンである。ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲
は、美しい旋律がなく、荒々しい印象だけが残る曲である。そんな曲に興味を持たせてくれたのは、スークではな
く、パイネマンだった。