モーツァルト●ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K216
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の第1番から第5番は全て、モーツァルトが19才の頃に完成したものである
が、モーツァルトらしい、美しい旋律がちりばめられ、喜びに満ちた作品であると思う。しかし、ベートーヴェン
やブラームスに比べると、やや深みに欠ける、と言うのが一般的な評価である。しかし、この協奏曲の第2楽章は、
本当に美しい。このような旋律が、泉のように次から次に浮かんできた、モーツァルトは、やはり天才であると
思う。愛聴盤は、グリュミオーがC・ディヴィス指揮ロンドン交響楽団と共演したもの。ところで、話しは変わる
が、この曲のデ=ヴィート盤を阿佐ヶ谷の名曲喫茶ヴィオロンで、リクエストしたことがある。デ=ヴィートと言
えば、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第一番、第三番のレコードの名演でよく知られている通り、非常に落ち
着いた、感動が心にしみ込んで来るというタイプの演奏家である。やや華やかな感じがするこの曲では、カデンツ
ァの部分の演奏が、特に美しかったと記憶している。たった一回しか聴いていないので、もう一度、ヴィオロンで
リクエストして、確認したいと思う。できれば購入したいが、高価でとても手が出ないだろう。