パガニーニ●ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調作品6 同第2番ロ短調作品7
パガニーニといえば、6曲のヴァイオリン協奏曲と奇想曲といくつかの小品及びギターとヴァイオリンの二重奏の
作品集がよく知られているが、私がよく聴くのは、リッチのパガニーニ小品集、レビンのヴァイオリン協奏曲第1
番、ギトリスのヴァイオリン協奏曲第2番である。パガニーニの作品の伴奏部分は、オペラの伴奏音楽に似ていて
オペラを余り熱心に聴いていない私にとっては、取っ付きにくい。私が思うに、オペラの伴奏は場面を盛り上げ
るために用いられることが多く、協奏曲のように、ソリストと管弦楽がそれぞれ自己主張し合って、クライマック
スへと進んでいく構成と異なるように思う。何か大仰で、きれぎれなイメージがあるので、あまり好きになれない。
一時の盛り上がりはあるのだが、一つの楽章、一つの曲全体の完成度を考えると、パガニーニの作品は、物足り
なさを感じる。とはいえ、超絶技巧を盛り込んだ彼の作品は、魅力に富んでいるので、ヴァイオリンの音色に酔い
たい時は、そんなことは全く考えずに、リッチやレビンやギトリスのレコードを聴くのである。