ロドリーゴ●アランフェス協奏曲
ギター協奏曲の名曲である。ギター用の曲として他に思いつくのは、タレガのアルハンブラの思い出くらいであろ
う。ロドリーゴ、タレガ、ソル、バリオス、ポンセ等が、たくさんのギター曲を作っているが、知られていない。
ギターという楽器は、持ち運びが楽で、誰でも手軽に演奏できるという点で、今も人気のある楽器である。最近、
駅の近くで、若者がフォーク・ギターを引いているのを見るが、やはり主流は、アンプを使って増幅したり、エフ
ェクタを使って極彩色の音を出したりする方に傾いているようだ。クラシック・ギターは、今はやりのギターのよ
うに、音を大きくしたり、音に変化をつけたりすることが出来ないので、あらゆる面で、苦労を余儀なくされる。
室内楽での他楽器との共演では、バランスをとるのが難しいだろうし、オーケストラとの共演では、他楽器の音に
埋もれてしまい、指揮者がギターの音を聞き取ることができるのかと心配になる。かといって、アンプを使ったり
しては、ギターの持つ繊細な音は出せないだろう。そういったことを見事に克服している点でもこの曲は、一聴に
値する。愛聴盤は、イエペスがアルヘンタ指揮スペイン国立管弦楽団と共演したもの。