ヴィヴァルディ●協奏曲集「四季」作品81 1〜4
以前、リッチが指揮をし、ヴァイオリンの名器を総動員して作った、「四季」のレコードを購入したが、余りの騒
々しさに驚いて、すぐに売却してしまった(私の場合、必要のないレコードが百枚以上たまった時点で、京都の中
古レコード店(つだちく 津田蓄音器店)に引き取ってもらう)。リッチの指揮の不出来が一番の原因であろうが、
名器ばかり集めて演奏した事にもかなり問題があると思う。協奏曲や独奏曲でソリストが、美しい音を奏でる楽器
を歌わせるのは、望ましいことである。しかし、オーケストラや弦楽合奏では、個性のある楽器の音より、むしろ
突出しない、バランスの良い演奏のできる、平凡な楽器が、好ましいハーモニーを生み出すのではないだろうか。
愛聴盤は、もちろん、イ・ムジチ合奏団であるが、1959年録音のレコードが、ベストである。アーヨのソロが
すばらしく、聴いていて心地よい。しかも、バックは、完璧なアンサンブル。イ・ムジチ合奏団は、その前に一回、
その後何回か「四季」のレコードを録音しているが、1959年盤をしのぐものはない。