本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても一般の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「LIVING STEREOで聴くハイフェッツ」ということでハイフェッツの名演奏をたっぷりと楽しんでいただこうと思います。

ヤッシャ・ハイフェッツは、1901年現在のリトアニアに生まれます。3才の頃からヴァイオリンを始め、6才の頃にはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏したと言われています。9才の頃からアウアーに学び、やがてヨーロッパの各地で演奏をするようになります。1917年にアメリカでデヴューしますが、同年のロシア革命を避けてそのままアメリカに在住し、1925年にはアメリカの市民権を得ることになります。ハイフェッツの演奏は完璧・正確無比と言われますが、1972年の最後の公式リサイタルの際も、当時ハイフェッツは70才を超えていましたが、完璧な技巧で演奏したと言われています。

本日は、ハイフェッツが1950年代に録音したヴァイオリン協奏曲を5曲、予め言っておきますと、アンコールでシベリウスを、お聴きいただきます。LIVINNG STEREOというRCAレコードの音の良いプレミアム盤でお聴きいただきますので、ハイフェッツの演奏をより堪能していただけることと思います。

最初にお聴きいただくのは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲です。4大ヴァイオリン協奏曲と言われるのが、本日のプログラムでお聴きいただくヴァイオリン協奏曲ですが、その中でもこの曲は他の3曲と比較して演奏時間が長く、内容もより充実しています。ハイフェッツ盤はオイストラフ(クリュイタンス指揮)盤と双璧と言われており、今後もその評価は変わらないと思います。ではミュンシュ指揮ボストン交響楽団との共演でお聴きいただきます。演奏時間は約38分です。

次にお聴きいただくのは、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。私自身も最も好きなヴァイオリン協奏曲ですが、ヴァイオリン協奏曲と言えば、まずこの曲が思い浮かぶのではないでしょうか。ハイフェッツの演奏は第1、第2楽章は少し物足りない気がしますが、終楽章は非常に早いテンポで精密機械のように正確に演奏しており、非常にすぐれていると思います。では先程と同じくミュンシュ指揮ボストン交響楽団との共演でお聴きいただきます。演奏時間は約24分です。

ここで少し休憩をいただきます。

後半最初の曲は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です。以前ミルシテイン特集の際にもお聴きいただきましたが、多くのヴァイオリニストが名演を残しています。オイストラフ、モリーニ、オークレールなどの演奏も名演ですので、お聴きいただければと思っています。ではライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏でお聴きいただきます。演奏時間は約30分です。

プログラム最後の曲は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲です。ブラームスらしい、美しい旋律に満ちたオーケストレーションのすばらしさを感じさせる曲です。オイストラフ、モリーニ、クライスラーなどの演奏も名演ですので、お聴きいただければと思っています。私は、この演奏の第1楽章のカデンツァに首を傾げてしまうのですが皆様はどのようにお思いでしょうか。ではライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏でお聴きいただきます。演奏時間は約34分です。

本日もアンコール曲を用意しました。最初に本日はハイフェッツの演奏を堪能していただくと言いましたので、最後もハイフェッツの演奏で締めくくりたいと思います。シベリウスのヴァイオリン協奏曲です。共演はヘンドル指揮シカゴ交響楽団ですが、こちらはオーケストラもすばらしく本日の最後を飾るに相応しい名演であると思います。演奏時間は約27分です。

本日は、長い時間レコードコンサートにおつき合いいただき、ありがとうございました。今後とも、このレコードコンサートをご愛顧いただきますよう、よろしくお願い致します。