本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても一般の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「ペーター・マークのメンデルスゾーンとモーツァルト」ということで38才から41才の頃にペーター・マークがDECCAに録音した名演をお聴きいただきます。

ペーター・マークは、1919年スイスのザンクトガレンで生まれました。ピアノをコルトーに、指揮をアンセルメとフルトヴェングラーに師事しました。50年代半ばにドイツでデヴューし活動の場を広げて行きます。その後、モーツァルトのスペシャリストとして各地で活躍しますが、残念ながらレコードとしては余り残されていません。最近ではパドヴァ・ヴェネト管弦楽団というオーケストラを指揮したモーツァルトの後期交響曲集やベートーヴェンの交響曲全集が残されているようです。また最晩年には、N饗を指揮しました。

本日お聴きいただくレコードは、ペーター・マークがデヴューして間もない頃にDECCAに録音した、演奏内容、録音共に優れたレコードですが、特に最初にお聴きいただく、「フィンガルの洞窟」と「スコットランド」の入った、DECCAのレコードは昔から多くのレコードファンに愛されて来た名盤です。本日お聴きいただくのは、DECCA盤はクラリネット協奏曲だけで、他はLONDON盤ですが、充分音の良さを楽しんでいただけることと思います。

それでは最初にメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」と交響曲第3番「スコットランド」をお聴きいただきます。共にメンデルスゾーンがスコットランドを旅行した際の印象を音楽にしたと言われ、ワーグナーが「音の風景画家」と言ったのもこのような曲を多く作曲しているためであると言えます。ペーター・マークは全体を一つの作品として演奏しているように思われますので、本日は「フィンガルの洞窟」「スコットランド」の順番で通してお聴きいただきます。本日お聴きいただくレコードはいずれも、ペーター・マークがロンドン交響楽団を指揮したものです。演奏時間は約48分です。

ここで少し休憩をいただきます。

次にお聴きいただくのは、同じくメンデルスゾーンの作品ですが、シェークスピアの劇のために作曲した劇音楽「真夏の夜の夢」です。この中の結婚行進曲が有名ですが、メンデルスゾーンが17才の頃に作曲したと言われる序曲やその他の音楽も楽しんでいただけることと思います。演奏時間は約41分です。

ここで少し休憩をいただきます。

最後にお聴きいただくのは、モーツァルトの作品2曲です。まず交響曲第38番「プラハ」、続いてクラリネット協奏曲を聴いていただきます。第38番の交響曲は、「パリ」「リンツ」同様、作曲にまつわる場所を標題にしたものです。クラリネット協奏曲はモーツァルトらしい美しい旋律に満ちた曲ですが、共演のド・ペイエの演奏もすばらしいのでお楽しみ下さい。またこの曲は、DECCA盤でお聴きいただきますので、さらにすばらしい音を楽しんでいただけると思います。演奏時間は「プラハ」が約33分、クラリネット協奏曲が約30分です。続けてお聞き下さい。

本日もアンコール曲を用意しました。ワルター・ギーゼキングの演奏によるメンデルスゾーンの無言歌を2曲お聴きいただきます。最初は、作品19の1「甘い思い出」、次に作品62の1「五月のそよ風」です。

本日は、長い時間レコードコンサートにおつき合いいただき、ありがとうございました。今後とも、このレコードコンサートをご愛顧いただきますよう、よろしくお願い致します。また、プログラムの一番下にありますように、私のホームページも是非ご覧下さい。よろしくお願いします。