震災に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。

本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「室内楽の楽しみ メロス・アンサンブル」ということで、メロス・アンサンブルの演奏でクラリネットが活躍する室内楽を6曲お聴きいただきます。

なお本日はクラリネットのレッスンを始めてもうすぐ2年になる私の実演もコンサートの雰囲気を壊さない程度に挟みながら進めて行きたいと思っていますので、ご理解の程お願いします。途中に何度も演奏するのではなく、最初に3曲最後に3曲演奏させていただこうと考えています。まずは唯一暗譜で演奏できる「木星」をお聞き下さい。次に「タンホイザー序曲」「トロイメライ」をお聞き下さい。

それでは本題にと移ります。 メロス・アンサンブルは、ロンドン交響楽団のメンバーにより1960年頃に 創立された団体です。三重奏から小オーケストラの曲までどんな室内楽も演奏できると言われ、ドイツ音楽でもフランス音楽でも、また古典でも現代音楽でもどんな室内楽でももれなく演奏できると言われていました。メンバーの中では、ド・ペイエ(クラリネット)、アーロノヴィッツ(ヴィオラ)、エリス(ハープ)が有名ですが、他のメンバーについてはお配りしたプログラムを参考にして下さい。話が長くなりましたので、早速、曲を聴いていただくことにします。

最初にお聴きいただくのは、モーツァルトのピアノ、クラリネット、ヴィオラのための三重奏曲「ケーゲルシュタット」とモーツァルトのクラリネット五重奏曲です。「ケーゲルシュタット」というのは当時流行っていた九柱戯というボーリングに似た遊びのことで、モーツァルトはそれをしながらこの曲を作曲したと言われています。クラリネット、ヴィオラと渋い音の楽器とピアノの曲ですが、ピアノの音が明るく楽しい曲想なので聞いていて楽しくなって来ます。もうひとつのクラリネット五重奏曲は有名な曲でいくつかの名演がありますが、少し速いテンポのこの演奏もド・ペイエの好演が光るすばらしい演奏となっています。演奏時間は約42分です。

次にお聴きいただくのは、モーツァルトとベートーヴェンのピアノと管楽のための五重奏曲、ちなみにこの曲で使用される管楽器は、クラリネット、ファゴット(バスーン)、オーボエ、ホルンで、どちらも変ホ長調の明るい曲です。内容的にはモーツァルトの曲の方が、内容が充実している気がするのですが、みなさんはどうお感じでしょうか。演奏時間は約47分です。
ここでしばらく休憩をいただきます。

後半の最初は、シューベルトの八重奏曲です。一応、楽器の編成を言いますと弦楽四重奏プラスコントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴット(バスーン)です。当時のクラリネット奏者の依頼でシューベルトが作曲したもので、このあとにお聴きいただくベートーヴェンの七重奏曲を意識して書かれた曲と言われています。演奏時間は約54分です。

プログラム最後の曲は、ベートーヴェンの七重奏曲です。一応、楽器の編成を言いますとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴット(バスーン)ということで、シューベルトの八重奏曲の編成からヴァイオリンひとつを引いたものとなっています。この曲はバリリ四重奏団他の名演がありとてもすばらしいものなので、機会がありましたら是非お聴き下さい。今からお聴きいただく演奏は、少し早めのテンポでバリリのゆったりとした演奏とは趣が異なるのですが、これも名演であると私は思います。演奏時間は約38分です。

本日もアンコール曲を用意させていただきました。ヘルムート・ヴァルヒャによるバッハのフランス組曲第5番です。その前にしばらく私がクラリネットの演奏をさせていただきますので、よろしかったらおつき合い下さい。最初と同様に、3曲お聞きいただきます。「ロンドンデリーエア」で指慣らしをしてから、「ダッタン人の踊り」「ユモレスク」をお聞きいただきます。

昨日、シブヤ楽器店のスタジオで3時間程練習した成果が少しあったようですが、緊張しました。ご清聴本当にありがとうございました。それではヴァルヒャのフランス組曲のをお聞きいただきます。演奏時間は約16分です。

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。