本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。
このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「イギリスの天才チェリスト ジャクリーヌ・デュ・プレ」ということで、ジャクリーヌ・デュ・プレのチェロの演奏でブラームス、ドヴォルザーク、ハイドン、エルガーなどの演奏をお聴きいただきます。
ジャクリーヌ・デュ・プレは、1945年オックスフォードに生まれました。4才の時にラジオでチェロの演奏を聴いたことがきっかけでチェロという楽器に興味を持ち、最初は母親に演奏方法を習っていましたが、5歳になってロンドンの音楽学校に通うようになります。すぐに才能が認められ10才の時には国際的なコンクールに入賞します。12才でBBC主催のコンサートで演奏を行い、16才の時にロンドンでデヴューし国際的な名声を得るようになります。デュ・プレが実際に活躍したのはこれから12年で1973年に来日した際に体調不良を訴え演奏会がすべてキャンセルされ、そのまま演奏活動からの引退を余儀なくされます。その秋に多発性硬化症と診断され、その後は後進の育成を行っていましたが、1987年42才の若さで亡くなりました。ピアニストで指揮者のダニエル・バレンボイムと21才で結婚し名演を残しており本日もいくつか聴いていただくことにしています。また不朽の名演と言われている、バルビローリと共演した、エルガーのチェロ協奏曲も最後にお聴きいただくことになっています。

最初にお聴きいただくのは、チェロの小品集です。16才でデヴューして間もなくの17才の時の録音です(フォーレのエレジーは24才の頃の録音です)。デヴューして間もない頃の演奏ですが、技巧にすぐれ、歌があり、愛用のダヴィドフをよく鳴らしており、また選曲もすばらしいのでお楽しみいただけると思います。 ジェラルド・ムーアのピアノ他の伴奏でお聴き下さい。演奏時間は約48分です。

次にお聴きいただくのは、ブラームスのチェロ・ソナタ第1番と同第2番です。このチェロ・ソナタはシュタルケルの名演がありますが、愛用のダヴィドフの音色がこの曲によく合っていて、シュタルケルの演奏にも匹敵するような好演になっていると思います。演奏時間は約54分です。

ここでしばらく休憩をいただきます。

後半の最初は、ドヴォルザークのチェロ協奏曲です。この曲にはカザルス、フルニエなどの名演がありますが、夫君のバレンボイムのサポートを得て、最後の名演を残したという感じがするレコードです。演奏時間は約42分です。

後半の2曲目は、ハイドンのチェロ協奏曲第1番です。ハイドンはこの曲の他にもう1曲チェロ協奏曲第2番を残していますが、どちらも愛らしいとても魅力のある曲です。よくロココ時代のフランスの作曲家ボッケリーニのチェロ協奏曲とカップリングされますが、私個人としては、ハイドンの第1番と第2番でレコードを残してほしいような気がします。演奏時間は約26分です。

プログラム最後の曲は、エルガーのチェロ協奏曲です。デュ・プレがバルビローリ指揮ロンドン交響楽団との共演で残した他の追随を許さない、すばらしい演奏です。バルビローリの渋いいぶし銀の伴奏がデュ・プレの演奏するダヴィドフの何とも言えない音色とうまく混じり合い、時には自己主張してすばらしい音楽を作り上げています。わずか20才の女性がこれほど深い感動させる音楽を奏でていたことを思うと、やはりデュ・プレは天才チェリストだったのだという思いを新たにします。演奏時間は約30分です。

本日もアンコール曲を用意させていただきました。本日は、管楽器クラリネットの演奏をお聴きいただきましょう。モーツァルトのクラリネット五重奏曲です。アルフレッド・ボスコフスキーのクラリネット、ウィリー・ボスコフスキー他ウィーン八重奏団のメンバーの演奏です。演奏時間は約30分です。 本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

今回のLPレコードコンサートの中でしばしば、10月3日に発行される、私の本の宣伝をしました。「こんにちは、ディケンズ先生」という
タイトルの小説です(プチ小説のページに掲載しているものですが、少し違うところがあります)。近代文藝社の編集者の方やN響アワーの
タイトルアニメーションを描かれている、小澤一雄先生(カバー画、挿絵を描いていただきました)と楽しく本作りをさせていただき、
そのことは十二分に本の内容に反映されています。興味をお持ちの方は、全国の書店で取り寄せが可能ですし10月3日前後にアマゾンで
注文が可能になりますので、よろしくお願いします。
また10月6日発売のダ・ヴィンチに私の本の広告が掲載されますし、今週から近代文藝社のHPに私の本の広告が掲載されてありますので、
興味がおありの方はご覧になって下さい。