本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「第50回を記念して 〜 私の愛聴盤の中から」ということで、2002年4月にスタートして12年余り、50回という節目を迎えたこのLPレコードコンサート、心機一転これからも頑張って行こうという思いを込めて、本日は特集を組みました。私の愛聴盤からとなっていて、いずれも私がよく聴くレコードですが、いずれも音質に定評があるもので、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置でお聴きいただくとアナログレコードの素晴らしさをよりよく理解していただけることと思います。

先程も言いましたようにこのLPレコードコンサートは12年以上開催しており、長年にわたり継続できたのはなによりヴィオロンのマスター寺元さんのおかげだと思っています。改めて感謝致します。ありがとうございました。そしてこれからも、よろしくお願いします。また何度かLPレコードコンサートにお越しいただき、2011年にはヴィオロン音盤文化賞で表彰までしていただいた、山茶花クラブ代表の荒井良雄先生には私の自作の朗読台本を読んでいただくなど、数えきれないくらいたくさんのことでお世話になっています。先生にも、いろいろありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いしますとこの場を借りて謝意を表わしたいと思います。
それから最初2回に来ていただき支えていただいたドイツ文学者のT先生、フルトヴェングラーの愛好家団体の代表の方などとお話できたのは有意義だったと思っています。今後とも、このLPレコードコンサートでのいろいろな出会いを期待して続けて行きたいと思いますので、これからもご支援の程よろしくお願いします。

それでは最初の曲をお聴きいただきましょう。メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」と交響曲第3番「スコットランド」です。ペータ・マーク指揮ロンドン交響楽団の演奏で、この2つの曲の名盤と言われています。このレコードでまず目を引くのは、メインである交響曲が序曲の後にあることですが、それがなぜかは全体を聴いていただくとお分かりいただけると思います。序曲「フィンガルの洞窟」から交響曲第3番「スコットランド」への流れが自然なので、まるでひとつの曲を聴いているような錯覚を起こさせます。この演奏はしっとりと心に染みる演奏ですが、今からお聴きいただくレコードではそのことがさらによりよく感じていただけると思います。演奏時間は約48分です。

次の曲は、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」です。この曲はアナログレコード全盛時代にその音の素晴らしさが評判を呼び、オーディオ装置をよいものにしてさらに良い音で再生したいとオーディオファンに思わせたレコードです。私が聴き所と思いますのは、コントラバスの重厚でごりごりと響き渡る音、うねるような弦楽合奏が続くところですが、冒頭のオルガンの低音から金管楽器とティンパニーの大音響ところももちろんすばらしくズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルのこのレコードはそのあたりが心行くまで楽しめるものとなっています。演奏時間は約33分です。

3曲目はシベリウスのヴァイオリン協奏曲です。この曲はオイストラフ、ヌヴーの名盤がありますが、このハイフェッツ盤はさらにRCAのLiving Stereo の素晴らしい音で聴くことができます。ハイフェッツの演奏もすばらしいですが、ワルター・ヘンドル指揮シカゴ交響楽団の演奏も迫力満点で圧倒されます。オイストラフやヌヴーの演奏と違ったこの曲の魅力を楽しんでいただけることと思います。演奏時間は約27分です。

ここで少し休憩をいただきます。

後半の最初の曲は、モーツァルトのクラリネット五重奏曲です。話は横道にそれますが、私は約5年前からクラリネットを習っています。グループレッスンを受けていて、毎年発表会にも出ています。今年2月は、ドヴォルザークのユモレスクとボギー大佐(クワイ川マーチ)をしました。昔からクラリネットの音色に引かれていたのではなく、カール・ライスターのブラームスのクラリネット・ソナタを聴いて、自分で演奏してみたいと思ったのでした。それまではクラリネットと言えば、レオポルド・ウラッハでモーツァルトの協奏曲と五重奏曲の神々しい響きを楽しんでいたのでした。特にこの曲の第2楽章は素晴らしく、何度も何度もうっとりと聴き惚れたものでした。これからもレッスンを続け、モーツァルトやブラームスの名曲が皆さんの前で演奏できればいいなと思いますが、どうなりますでしょうか。それではお聴きください。演奏時間は約37分です。

本日のプログラム最後の曲は、ベートーヴェンの三大ピアノ・ソナタ「悲愴」「月光」「熱情」です。ヴィルヘルム・ケンプはベートーヴェンのピアノ曲のスペシャリストでピアノ・ソナタとピアノ協奏曲の演奏は他の追随を許さない至高の演奏だと思います。熱情ソナタやピアノ協奏曲第4番は一時期私はよく聴きました。 グラモフォンのプレミアム盤は、チューリップラベル、赤ステ(STEREOのところに赤の網掛けがある)ですが、本日はそのレコードでお聴きいただきます。
演奏時間は55分です。

本日もアンコール曲を用意させていただきました。実は先日一時通い詰めた、神戸の中古レコード店が廃業されたことを知りました。神戸元町から別のところに移られてからは遠くて行けなくなりましたが、今から十数年前、月1回はそこに行って中古レコードを購入していました。その中古レコード店で購入して今でもたまに聴くレコードがありますので、それをお聴きいただきます。ハリーナ・ステファンスカのショパンの小品集をお聴きいただきます。その店で最初に購入したレコードはこのレコードではありませんでしたが、傷があったのでこのレコードに交換してもらいました。それから信頼関係ができ、しばしばその店に通うようになったのだと思います。

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。