本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「フランスのヴァイオリニスト フランチェスカッティ」ということで、フランチェスカッティのクライスラー、小品、協奏曲の演奏を楽しんでいただこうと思います。

ジノ・フランチェスカッティは、1902年フランスのマルセイユに生まれました。父親はパガニーニ直系のヴァイオリニスト、母親もヴァイオリニストであったため、3才から両親の手ほどきを受け、わずか5才でリサイタルを開きます。1924年には、パリ・デヴューを飾り、ジャック.ティボーの薫陶を受けることになります。1931年にはニューヨーク・フィルと共演し、アメリカ・デヴューを果たします。

フランチェスカッティは今日お聴きいただく、パガニーニ、サン=サーンス、メンデルスゾーンの協奏曲の他、ロベール・カサドシュと録音した、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集が有名です。

私がフランチェスカッティを初めて聴いたのは、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番でしたが、その技巧の素晴らしさや音色の美しさに引かれて、エア・チェックしたカセットテープを何度も聴いたことを覚えています。その後、今日、最初にお聴きいただく、クライスラーの小品を入手し、こちらもよい演奏だと思いましたので、いつか特集をしたいと思っていました。

本日は、その他のレコードもヴァイオリンの作品としては興味深いものばかりで、しかもフランチェスカッティの名演でお送りしますので、楽しんでいただけると思います。

最初にお聴きいただくのは、クライスラーの小品集です。クライスラーの小品集は自作自演の他、シェリング、パールマンのアルバムが素晴らしいのですが、このアルバムでは、共演のバルサムの演奏、オリジナル盤の音のよさも手伝って素晴らしいものになっています。演奏時間は約36分です。

次にお聴きいただくのは、オーケストラと共演した超絶技巧曲です。パガニーニの演奏を得意としたフランチェスカッティはこれらの難曲を弾き熟すだけでなく、味わい深い、くつろぎに満ちた音楽に仕上げています。演奏時間は約        44分です。

ここでしばらく休憩をいただきます。

後半、最初にお聴きいただくのは、フランチェスカッティが得意とした協奏曲を2曲お聴きいただきます。彼の最も有名なアルバムですが、私はもっぱら、サン=サーンスを聴いていました。というのもパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番は、マイケル・レビンの名盤があるからです。しかしサン=サーンスの方は比肩するものがない不朽の名盤であり続けることと思います。演奏時間は約51分です。

最後にお聴きいただくのは、メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲です。私個人の好みでは、メンデルスゾーンはカンポーリ、チャイコフスキーはモリーニなのですが、近くエリカ・モリーニ、イダ・ヘンデル、エディット・パイネマン、ジネット・ヌヴー、ヨハンナ・マルツィの女流ヴァイオリニストの特集をしますので、モリーニのチャイコフスキーは、その時にお聴きいただけると思います。演奏時間は約58分です。

(アンコール曲は失念しました。すみません)

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。