本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

本日は、この後の催しの準備をしなければならないため、午後4時までこのLPレコードコンサートをさせていただきます。ご了承ください。プログラム2(イダ・ヘンデル小品集)の一部と5(エリカ・モリーニによるブラームスのヴァイオリン協奏曲を割愛させていただきます。申し訳ありません。

ところでこのコンサートが始まる前にカンポーリのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲をお聞きいただきましたが、これは4月8日に亡くなられた荒井良雄先生がお好きだった作曲家の曲です。みなさまご存知のように荒井先生はこの名曲喫茶ヴィオロンで朗読会を開催されていました。私は荒井先生に励ましていただいたり、朗読会で私が書いた文章(プチ朗読用台本「ミコーバの爆発」)を読んでいただいたりといろいろお世話になりました。 私の本『こんにちは、ディケンズ先生』が売れて、東京を拠点に活躍できるようになれば、荒井先生との交流も盛んになるのではと期待していたのですが、叶わぬ夢となってしまいました。荒井先生のご冥福を心よりお祈りしたいと思います。

今回は、「女流ヴァイオリニストの華麗な演奏」ということで、アナログ時代に活躍した女流ヴァイオリニストの名演を楽しんでいただこうと思います。ヌヴー、ヘンデル、パイネマン、モリーニ、マルツィの名盤をオリジナルまたはそれに近いレコードで楽しんでいただこうと思っています。

最初は、フランスのヴァイオリニスト ジネット・ヌヴーのシベリウスのヴァイオリン協奏曲です。ヌヴーはわずか30才の時に飛行機事故で亡くなりました。ブラームスのヴァイオリン協奏曲も素晴らしい演奏ですが、やはりヌヴーと言えば、このレコードということになると思います。

 次は、ポーランド出身のヴァイオリニスト イダ・ヘンデルです。ヌヴーやマルツィと同じ世代のヴァイオリニストですが、ヌヴーやマルツィのような決定的名盤がありません。ですが、この小品集は難曲を軽々と弾き熟し、しかも音色も美しいので、彼女のいくつかの名録音の中のひとつと言えると思います。

前半の最後はドイツのヴァイオリニスト エディット・パイネマンです。このレコードを購入したのは神戸の中古レコード店でしたが。ジャケットを見て、きれいな人だなと思い、1万円のレコードを購入したのでした。ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲で演奏も平凡と思いほとんど聴くことがなかったのですが、この特集を思い立って、渋谷のライオンで掛けてもらったところ、その繊細な音に魅せられ、みなさんに是非聴いていただこうと思ったのでした。

 ここでしばらく休憩をいただきます。

後半、最初にお聴きいただくのは、オーストリア出身のヴァイオリニスト エリカ・モリーニです。個人的に言いますとこのヴァイオリニストの音色に引かれるのですが。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いていただこうと思います。ここでヴァイオリン協奏曲について少しコメントしておきます。ヴァイオリン協奏曲で演奏される頻度が高いのはやはり四大ヴァイオリン協奏曲と呼ばれるベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーン、チャイコフスキーのそれだと思いますが、それプラス、シベリウス、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番の7曲が演奏される機会が多い曲だと思います。

最後にお聴きいただくのは、ヨハンナ・マルツィのバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番です。バッハの無伴奏ヴァイオリンのための曲はソナタとパルティータが各3曲あるのですが、マルツィの場合はこのパルティータ第1番につきます。全6曲と言うなら、シェリングの名盤がありますが、それはまたいつか聴いていただこうと考えています。演奏時間は約  分です。

本日もアンコール曲を用意させていただきました。フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルのワーグナーのタンホイザー序曲です。

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。