本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、お聴きいただくレコードもなるべくオリジナルに近い音の良いものを選んでいますので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「ロシアの指揮者エフゲニー・ムラヴィンスキー」ということで、ムラヴィンスキーのチャイコフスキーの演奏を中心に楽しんでいただこうと思います。 

エフゲニー・ムラヴィンスキーは、1903年にロシアのサンクトペテルブルクに生まれます。6才の頃からピアノを習いましたが、ロシア革命によって彼の生活が大きく変わり、最初はペトログラード大学で生物学を勉強しますが、1924年にレニングラード音楽院に入学し直します。1931年にはレニングラード・フィルで初めて指揮をし、1937年にはショスタコーヴィチの交響曲第5番を初演します。1938年にはレニングラード・フィルの常任指揮者に就任します。日本にも1973年の初来日以来、計4回の来日公演を行っています。

本日はそのムラヴィンスキーによる、チャイコフスキーの交響曲第4番、第5番、第6番、ピアノ協奏曲第1番その他をお聴きいただきます。

 最初にお聴きいただくのは、チャイコフスキーの交響曲第4番です。私は最初この曲をシルベストリ指揮フィルハーモニア管弦楽団で聴きましたが、この難曲を通して演奏できるオーケストラはなかなかないようです。第1楽章の出だしの管楽器がはもるところや第3楽章のピチカートなどは素人目から見ればとても難しそうなのですが、実際はどうなのでしょうか。非常に暗い曲で第1楽章、第3楽章は心が晴れませんが、終楽章の盛り上がりのための準備とも考えられます。

 次にお聴きいただくのは、チャイコフスキーの交響曲第5番です。この曲は昔からの愛聴盤がありますが、未だ外国盤を入手できません。ストコフスキーがニュー・フィルハーモニア管弦楽団を指揮したもので今から37年前に私がクラシック音楽にのめりこむきっかけとなった曲です。このレコードはこれからも折に触れて聴き、オリジナル盤をいつかは手に入れたいと思っています。ムラヴィンスキー盤もすばらしいレコードですが、少しこじんまりとまとまりすぎている気がします。それでも是非このチャイコフスキーの名曲を聴いていただこうと思い、今回取り上げました。4つの楽章すべてが魅力に満ちていると思いますが、当時の聴衆は第4番を熱狂的に受け入れられましたが、こちらは評判がよくなかったようです。

前半の最後、休憩をいただく前に先程も少し話しました。ショスタコーヴィチの交響曲第5番を少しお聴きいただきましょう。第1楽章をお聴きいただきます。

 ここでしばらく休憩をいただきます。

 後半、最初にお聴きいただくのは、交響曲第6番「悲愴」です。この曲もクラシックファンになってすぐアバド指揮ウィーン・フィルのレコードを何度も聴いたものでした。この曲のききどころは第1楽章の甘味な旋律と第2楽章だと思うのですが、終楽章の悲壮感漂う最後の部分の方がよく知られています。クレンペラーやフルトヴェングラーのレコードも面白いと思いますので、一度聴いてみられてはと思います。

最後にお聴きいただくのは、ピアノ協奏曲第1番です。私は長らくこの曲がどうしても好きになれず、ずっと聴かずにいました。アルゲリッチ盤やリヒテルがカラヤンと共演したものを聴いていたのですが、出だしが以上に盛り上がり、第1楽章はそれが持続するのですが、あとの2つの楽章が盛り上がりに乏しく、いつも物足りないという思いが残るのです。それでもこのレコードでは後の2つの楽章の魅力を掘り起こしていて、最後まで楽しませてくれます。

 本日もアンコール曲を用意させていただきました。実はチャイコフスキーはピアノ協奏曲を3曲書いており、今日は第2番も聴いていただこうと思います。ピアノ独奏はポストニコワ、ロジェストヴェンスキー指揮ウィーン交響楽団の演奏でお聴きください。演奏時間は約  分です。

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。