本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。
今回は、「ぜひ聴いていただきたい名演を日本盤で」ということで、プレミアム盤の購入を始めて20年以上経過した今も、未だに外国盤を購入できずにいる私の愛聴盤を聴いていただこうと思います。残念ながら、音の方は外国盤に劣りますが、いずれも私が長年親しんだレコードですので、楽しんでいただけることと思います。
最初は、ストコフスキー指揮のチャイコフスキーの交響曲第5番のレコードです。私がクラシック音楽に興味を持ち始めたのが、19才になった頃で、もう37年になりますが、その当初からこのレコードに魅せられ、今でも聴く度に熱くなります。前回のレコードコンサートでこの曲のムラヴィンスキー指揮の演奏を聴いていただきました。こちらも好演であると思いますが、今からお聴きいただくレコードは音の魔術師と言われた名指揮者が十八番とする楽曲を演奏したものなので、味わい深い、いつまでも心に残る名演になっていると思います。演奏時間は約50分です。
次の曲は、ワルター指揮のマーラー「大地の歌」です。第1楽章〜第3楽章だけをお聴きいただきますが、私はこのレコードの魅力は第1楽章のパツァークの熱唱に尽きると思うのですが、第2楽章のフェリアーの歌唱、有名な第3楽章も合わせてお聴きいただきます。演奏時間は約21分です。
次にお聴きいただくのは、今から40年ほど前、洋酒のコマーシャルで第1楽章の冒頭部分が流され、有名になった曲です。チャイコフスキーの弦楽セレナードですが、この曲は冒頭部分だけでなく4楽章すべてが歌にあふれた素晴らしい曲ですので、今日は最後までじっくりお聴きください。演奏時間は約30分です。
前半最後の曲は、バッハのカンタータ第140番《目ざめよ、と われらに呼ばわる物見らの声》です。こちらも一部がビールのCMで流れていましたし、私が個人的に好きな、フォーレの「ペレアスとメリザンド」のシチリア舞曲も洋酒のCMで流れていました。最近ではラグビーのワールドカップの損保会社のCMでモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスが流れていたのが印象に残っています。このレコードの聴き所はボーイソプラノの歌声です。そこだけでも耳を澄ませて聴いてみてください。演奏時間は約30分です。
ここでしばらく休憩をいただきます。
後半、最初にお聴きいただくのは、モーツァルトの弦楽四重奏曲第21番「プロシア王第1番」です。この曲は、アルバン・ベルク四重奏団の演奏が有名ですが、阪神大震災が起る約1年前に神戸のレコード店で購入したこのレコードの方が私の愛聴盤になっているので是非お聴きください。演奏時間は約24分です。
次にお聴きいただくのは、シャフランによるシューベルトのアルペジオーネ・ソナタです。オリジナル楽器の演奏のレコードもあるようですが、主にチェロで演奏されます。他にコントラバス、ヴィオラ、クラリネットの演奏もありますが、今からお聴きいただくシャフランの演奏が一番だと思います。演奏時間は約23分です。
次はシューマンの歌曲集「女の愛と生涯」です。この曲はロッテ・レーマンの名盤がありますが、私の好きなクリスタ・ルートヴィヒの演奏でお聴きいただきます。私がこの曲を好んで聴いていた今から30年ほど前はルートヴィヒも現役で、私も一度聴きに行きました。夫のヘルムート・ドイチェの伴奏でシューベルトの歌曲を歌っていました。演奏時間は約21分です。
プログラムの最後の曲は、オイストラフによるブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番です。第51回にオイストラフの特集をしましたが、残念ながら、外国盤がないため、その時は聴いていただけませんでした。第1楽章の甘く切ない旋律は、比肩するもののない素晴らしいものだと思います。オイストラフは第1楽章に力を入れすぎた感じもないわけではありませんが、この曲のベストの演奏であると思います。演奏時間は約27分です。
本日もアンコール曲を用意させていただきました。今日は日本盤ばかりだったので、外国盤を今から聴いていただこうと思うのですが、どうせなら少し変わったのを聴いていただこうと思います。カサドシュのピアノ、セル指揮クリーブランド管弦楽団のモーツァルトのピアノ協奏曲第21番と第24番をメロディア盤でお聴きいただきます。味わいのある独特の音がしますので、楽しんでいただけると思います。
本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。