本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。
今回は、「幻の名チェリスト クリスティーヌ・ワレフスカ」ということで、ジャクリーヌ・デュ=プレと同世代で実力も同じほどあったと言われながら、全盛時代にフィリップス・レーベルに6枚のレコードを残しただけの幻のチェリストのレコードをお聴きいただきます。いずれもシルバーロゴの音の良いレコードばかりですので、楽しんでいただけると思います。
クリスティーヌ・ワレフスカは、1945年にロスアンジェルスに生まれました。13〜15才の頃にピアテゴルスキーの指導を受け、16才からはパリ音楽院に入学します。ドイツでデヴューしヨーロッパで活躍し、20代にフィリップス・レーベルに今からお聴きいただく5枚のレコードを録音しました。その後、活動の拠点が南米のアルゼンチンに移り、そこで結婚したこともあり、レコードの録音(メジャーレベルのみ?)から遠ざかります。最近になって(2010年頃)に日本でショパンやラヴェルの小品などのレコードを録音しています。
私がワレフスカを知ったのは今から3年ほど前に日本経済新聞に掲載された記事でした。歯科医の渡辺氏は学生時代からチェロ演奏をされていて、レコード蒐集もされていた。レコードでワレフスカの現役時代のことも知っておられる渡辺氏が、2007年にカリフォルニア州サンタバーバラの音楽祭でワレフスカと会い、長年の夢が叶ったと書かれてありました。私は、渡辺氏が書かれておられた、デュ=プレと人気、実力ともライバルだったという言葉に引かれて、たまたまディスク・ユニオンで見つけた、ハイドンのチェロ協奏曲第1番、第2番のレコードを迷わず購入したのでした。最初にこのレコードをお聴きいただくのですが、独特のチェロの音の響きに驚かれることと思います。それではさっそくお聴きいただきましょう。演奏時間は、約54分です。
次にお聴きいただくのは、ハチャトゥリアンのチェロ協奏曲です。最初に言いましたように本日はワレフスカの5枚のレコードから聴いていただくことにしましたので、このプロコフィエフとハチャトゥリアンのチェロ協奏曲のレコードからもどちらか聴いていただこうと考えました。それで私は普段聴かない2曲を3回ずつ聴いて、どちらかと言うと明るい方のハチャトゥリアンを選びました。演奏時間は、約32分です。
前半の最後は、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番、第2番です。プログラムを見られてお気づきのことと思いますが、ワレフスカの全盛時代のフィリップス・レーベルの録音はオーケストラとの共演ばかりで室内楽や独奏はありません。これら以外にヴィヴァルディの協奏曲もありますが、やはりオーケストラの伴奏です。バッハの無伴奏やアラウと共演してベートーヴェンのチェロ・ソナタを聴きたかった気もします。演奏時間は、約35分です。
ここでしばらく休憩をいただきます。
後半、最初にお聴きいただくのは、ブロッホのシェロモ、ブルッフのコル・ニドライそれからシューマンのチェロ協奏曲です。いずれも重厚でチェロ独自の音を堪能できる曲です。演奏時間は、約56分です。(時間内に収まらなかったため、ブルッフのコル・ニドライは割愛させていただきました)
プログラムの最後の曲は、ドヴォルザークのチェロ協奏曲とチャイコフスキーのロココの主題による変奏曲です。いずれもチェロの名曲ですが、ドヴォルザークのチェロ協奏曲はフルニエやカザルスのレコードはまずは聴いておきたいレコードです。でもこのワレフスカのレコードも、音も良く優れた演奏だと思います。演奏時間は、約58分です。
本日もアンコール曲を用意させていただきました。ルビンシュタインとシェリングによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」から第1楽章をお聴きください。
本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。