本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、名曲喫茶ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

 今回は、「イタリアの指揮者カルロ・マリア・ジュリーニ」ということで、イタリア出身のカルロ・マリア・ジュリーニが指揮した演奏を聴いていただきます。

ジュリーニは1914年イタリア北部のパルレッタに生まれます。サンタ・チェチーリア国立アカデミアに学び、ヴィオラ奏者として音楽活動を始めました。

1946年にローマRAI交響楽団主席指揮者となり、1953年にはミラノ・スカラ座の音楽監督となります。ここでロッシーニの「セビリアの理髪師」やヴェルディの「椿姫」を録音しましたが、1956年に辞任しています。ジュリーニはオペラでは他に、EMIに残したモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」、グラモフォンに残したヴェルディの「トロヴァトーレ」「ファルスタッフ」「リゴレット」などのレコードがあります。1969年にはシカゴ交響楽団の主席客演指揮者となり、アメリカでの音楽活動、器楽曲中心の演奏に重心が移って来ます。しかし1984年に婦人が病気になったため、音楽活動はヨーロッパ限定となりウィーン・フィル、ベルリン・フィルと共演することが多くなります。アメリカでは、シカゴ交響楽団やロサンジェルス・フィルと共演しいくつか名演を残しています。

私がジュリーニに興味を持ったのはシューベルトの未完成やザ・グレイトでしたが。一番よく聴いたのは最後にお聴きいただくドヴォルザークの交響曲第7番でしょうか。どちらかというと地味な感じがする演奏でジュリーニの演奏を聴くことは余りなかったのですが、きわめて精緻なスコア読みで、一音たりともおろそかにしないとの解説があったので。これからは彼の残したレコードをじっくり聴いてみたいと思っています。

 最初にお聴きいただくのは、ブルックナーの交響曲第8番です。私は第7番と第9番はしばしば聴くのですが、この第8番は長大な曲で、しばしば大音量でオーケストラが鳴るところがあるのであまり聴きません。ですが、このレコードはシューリヒトやクナッパーツブッシュと比肩する名盤と言われていますので、皆様と一緒にこれからじっくり聴いてみたいと思います。演奏時間は約87分です。

ここでしばらく休憩をいただきます。

 後半、最初にお聴きいただくのは、シューベルトの交響曲第8番「未完成」です。この曲についてはワルター、ベームの名演、最近ではクライバーのレコードがありますが、わたしにとっては長年聴き馴染んだこのレコードが一番よいと思うのですが、皆様はいかがでしょうか。演奏時間は約28分です。

次にお聴きいただくのは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番です。リヒテル、ケンプ、バックハウスの名盤がありますが、イタリアの巨匠が共演するこのレコードは堅苦しさが一切ないのびのびとした演奏に好感を持たれることと思います。演奏時間は約38分です。

 プログラムの最後の曲は、ドヴォルザークの交響曲第7番です。ドヴォルザークの交響曲は第7番、第8番、第9番「新世界より」が有名ですが、中でもこの曲は民族的な色彩が色濃く出ており。終楽章はそれに圧倒されます。昔はそんな旋律が私に癒しを与えてくれたので、しばしば聴いていました。ジョージ・セルの名盤もありますが、ジュリーニらしくないアーシーな、ゆったりとしたテンポの演奏のこのレコードの方が私は好きです。演奏時間は約41分です。

 本日もアンコール曲を用意させていただきました。私が今から38年前にクラシックを聴き始めた時にグラモフォンではジュリーニの他には、カラヤン、ベーム、アバド、バーンスタイン、カルロス・クライバーなどの指揮者が活躍していました。そこでEMI盤ですが、カラヤンのレコードを聴いていただこうと思います。モーツァルトのクラリネット協奏曲とファゴット協奏曲で、クラリネットの独奏がカール・ライスター、ファゴット(バスーン)の独奏がギュンター・ピースク、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏です。

 

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。