本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、名曲喫茶ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「ロシアのヴァイオリニスト ギドン・クレーメル」ということで、旧ソ連ラトビア出身のヴァイオリニスト ギドン・クレーメルのヴァイオリン独奏、室内楽演奏、オーケストラとの共演をお聴きいただきます

 クレーメルは、1947年ラトビアのリガに生まれました(厳密に言うと、ロシアではなく旧ソ連となります)。父、祖父ともに高名なヴァイオリニストであったギドン・クレーメルは4才の頃にヴァイオリンを習い始めました。16才で国内のコンクールに入賞、その後、モスクワ音楽院に入学しています。8年間、名ヴァイオリニスト、オイストラフに師事しましたが、その間、1967年のエリザベート王妃国際コンクールで3位入賞、パガニーニ国際コンクールで優勝、チャイコフスキー国際コンクールで優勝しました。ソビエト国内でコンサートを行った後、1975年にドイツ、1977年にはアメリカ・ニューヨークでデヴューしました。

私がクレーメルの演奏を始めて聴いたのは、民放のクラシック番組ででした。そのときには「庭の千草」による変奏曲という超絶技巧の曲を軽々と演奏していました。それからしばらくして、今回最初にきいていただくレコードを手に入れました。以前から私はクレーメルの特集を組みたいと考えていましたが、音の良い、針とびのしないレコードの入手が難しく、見送って来ました。ところが最近になって、ベートーヴェンの協奏曲とバッハの無伴奏パルティータが入手できましたので、みなさんに聴いていただくことにしました。

 最初にお聴きいただくのは、ヴァイオリンの小品集です。技巧を駆使して演奏していますがそれだけに終わらず、メロディが美しい曲も多いので、心に染みる飽きのこないレコードになっています。約41分です。

 次にお聴きいただくのは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲です。アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団とクレーメルが共演したピアノ入りのレコードが有名ですが、ハイフェッツやオイストラフのレコードを楽しんで来た私としては馴染めませんでした。今回、ネルソン指揮のオーソドックスなよいレコードが入手できましたので、聴いていただくことにしました。演奏時間は約44分です。

 ここでしばらく休憩をいただきます。

 後半、最初にお聴きいただくのは、ヨハン・セバスティアン・バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ全曲です。シェリングのスタンダードな名演がありますが、クレーメルは技巧を駆使して、ひと味違ったものにしている気がします。演奏時間は約55分です。

 後半の2曲目は、モーツァルトのケーゲルシュタット・トリオです。普通は、クラリネット、ヴィオラ、ピアノで演奏するのですが、このレコードでは、クラリネットをヴァイオリンに置き換えて演奏しています。演奏時間は約29分です。

プログラムの最後の曲は、モーツァルトの協奏交響曲です。ヴァイオリンとヴィオラの二重奏の協奏曲ですが、ヴィオラは前の曲と同じく。キム・カシュカシアンです。クレーメルは1980年代にグラモフォンレーベルにモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を録音しており、その一環として協奏曲も録音されました。演奏時間は約35分です。

 本日もアンコール曲を用意させていただきました。私がクラシック音楽を熱心に聞き出したのは高校を卒業してからでしたが、高校時代にもクラシック音楽を聴いていました、それは5月に亡くなられた冨田勲さんの「展覧会の絵」と「惑星」ですが、本日はマスターの許可も得ていますので、オリジナルに近い音の良い米国盤で全曲を聴いていただこうと思います。演奏時間は約51分です。

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。