本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、名曲喫茶ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。
今回は、「ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団 3rd」ということで、1940年代後半から1950年代前半に掛けて、ウェストミンスター・レーベルにたくさんの名盤を残した弦楽グループの演奏をお聴きいただきます
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団は、リーダーであるウィーン・フィルの第1ヴァイオリン奏者アントン・カンパーが1934年にフランツ・クヴァルダとともに四重奏団を結成したのがはじまりとされています。シューベルト、ベートーヴェンの弦楽四重奏全集やモーツァルト、ブラームス、ハイドンの室内楽に名盤を残しています。
同じウェストミンスター・レーベルにバリリ四重奏団が所属し、好みの問題がありますが、モーツァルト、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲について言えば、バリリ四重奏団の方に分があるように思います。他にもモーツァルトはアマデウス弦楽四重奏団、ベートーヴェンはスメタナ四重奏団、アルバン・ベルク四重奏団などが全集の名盤を残していますが、まとめて弦楽四重奏曲ばかりを聴くのはしんどいですので、管楽器との共演等を織り交ぜて、いつか聴いていただこうと思っています。
最初にお聴きいただくのは、アイネ・クライネ・ナハトムジークと音楽の冗談です。アイネ・クライネ・ナハトムジークは小編成の弦楽合奏で演奏されるのが一般的ですが、このレコードでは弦楽四重奏団とコントラバスの5人で演奏しています。また音楽の冗談は弦楽四重奏団とホルン2本で演奏しています。演奏時間は約40分です。
次にお聴きいただくのは、モーツァルトの弦楽四重奏曲第19便「不協和音」です。不協和音とありますが、最初のところで少し不協和音の調べがありますが、その後は長調の明るい喜びに満ちたメロディが続きます。演奏時間は約 28分です。
前半最後の曲は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番「ハープ」です。第1楽章でしばしばピッツィカートが登場することから「ハープ」の相性を持っていますが、ベートーヴェンの曲によくある苦悩(第3楽章)を突き抜けて歓喜(終楽章)に至るという曲想の曲で、中期の弦楽四重奏曲ではラズモフスキー第1番、第2番、第3番とともに愛聴されている曲です。演奏時間は約36分です。
ここでしばらく休憩をいただきます。
後半、最初にお聴きいただくのは、ブラームスのクラリネット五重奏曲です。このレコードで共演しているレオポルド・ウラッハとは、モーツアルトのクラリネット五重奏曲で名盤がありますが、ブラームスの陰鬱な北ドイツの空というイメージはなく、このレコードでもウィーン情緒豊かな好演となっています。演奏時間は約39分です。
プログラムの最後の曲は、ブラームスの弦楽六重奏曲第1番です。第2楽章がフランス映画「恋人たち」に使われたことで有名になったと私がクラシック・ファンになった頃はよく聞きましたが、私は残念ながらこの映画をまだ見ていません。ブラームス27才の頃の作品ですが、美しいメロディが途絶えることなく続くすばらしい曲です。演奏時間は約38分です。
本日もアンコール曲を用意させていただきました。前回、ホルストの惑星を冨田勲のシンセサイザーで聴いていただきましたが、本日も少し変わった編曲を楽しんでいただこうと思っています。ベルリオーズの幻想交響曲をピアノ1台で演奏したものです。フランスのピアニスト フランソワ・ドュシャーブルがリスト編曲のものを見事に弾き熟しています。ではごゆっくりどうぞ。
本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。