本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、名曲喫茶ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

今回は、「オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の栄光」ということで、ハンガリー出身の指揮者 ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番のみニューヨーク・フィル)の演奏で、後期ロマン派、国民楽派などの作品を聞いていただきます。

ユージン・オーマンディは、1899年オーストリア=ハンガリー帝国の首都ブタペストに生まれました。幼年の頃からヴァイオリンの才能を示し、1905年にはブタペスト王立音楽院に入学します。1919年には同音楽院のヴァイオリンの主任教授に就任します。しかし1921年のアメリカ演奏旅行の途中でトラブルがあり、ニューヨーク・キャピトル劇場オーケストラに就任することになります。コンサートマスターも勤めますが、1924年には指揮者に転向します。1931年にはフィラデルフィア管弦楽団を指揮し、1938年には同管弦楽団の音楽監督に就任します。その後は1980年までの長期の在任期間中、幅広いレパートリーでコロムビア、RCAに数多くのレコードを残しています。

私がクラシックを聴き始めた、今から40年前は、オーマンディは音楽監督としてフィラデルフィア管弦楽団を振っていました。当時はバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル、メータ指揮ロサンジェルス・フィル(1979年からはジュリーニ)、ショルティ指揮シカゴ交響楽団、小澤指揮ボストン交響楽団、マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団などの演奏家が競ってレコードを録音していました。彼のシベリウスの演奏が好きで、交響曲第2番、フィンランディア、オイストラフと共演したヴァイオリン協奏曲はよく聴いたものでした。

その後サン=サーンスのオルガン付きなどもよく聴きました。彼の演奏は深みがないと言われますが、フィラデルフィア・サウンドの重厚な響きは聴いていて心地がよいものなので、もっと聴かれていいのではと思っています。

最初にお聴きいただくのは、シベリウスの交響詩「フィンランディア」です。合唱入りの録音で珍しいものです。演奏時間は約9分です。続いてレスピーギの交響詩「ローマの松」もお聴きいただきます。演奏時間は約21分です。

次にお聴きいただくのは、オイストラフと共演したシベリウスのヴァイオリン協奏曲です。名曲なので数多くの名盤がありますが、このレコードほど、演奏内容が充実したものは聴いたことがありません。演奏時間は約31分です。

前半最後の曲は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番です。ホロヴィッツとの共演でお聴きいただきます。演奏時間は約44分です。

ここでしばらく休憩をいただきます。

後半、最初にお聴きいただくのは、管弦楽曲3曲です。ボロディンのノクターンは、弦楽四重奏曲第2番第3楽章を編曲したものです。3曲とも美の極致と言うべき名演ですので、じっくりとご鑑賞ください。演奏時間は約24分です。

次にお聴きいただくのは、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」です。オルガンの響きとフィラデルフィア・サウンドがマッチして壮大なサウンドを築いていきます。演奏時間は約35分です。

最後の曲は、シベリウスの交響曲第2番です。オーマンディはこの曲を、3度録音していて、RCAレーベルの録音の方がよく知られていますが、57、8才の頃のこの演奏の方がシベリウス特有の金管楽器の咆哮がよく鳴り響き好きなのですが、いかがでしょうか。演奏時間は約44分です。

本日もアンコール曲を用意させていただきました。カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団の演奏でバッハのブランデンブルク協奏曲第1番の第1楽章をお聴きください。

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。