本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、名曲喫茶ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。
今回は、「帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンの名演」ということで、1950年頃から1980年代に掛けて名実ともに世界一の指揮者であり、今なお愛されつづけている指揮者カラヤンの名演をお聴きいただきます。
ヘルベルト・フォン・カラヤンは、1908年にオーストリア=ハンガリー帝国のザルツブルグに生まれました。モーツァルテウム音楽院、ウィーン音楽院で学んだ後にヨーロッパ各地の歌劇場でオペラの指揮をして脚光を浴び、1939年にはベルリン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座でも指揮します。第二次大戦後しばらくは活動を停止しますが、1948年にはウィーンの楽壇に復帰し、
またイギリスのレコード会社EMI社と契約を結び、フィルハーモニア管弦楽団を指揮してたくさんのレコード録音をします。1954年にフルトヴェングラーが亡くなった後には、ベルリン・フィルの終身主席指揮者兼芸術総監督に就任し、ベルリン・フィルに移ってからは、亡くなるまでドイツ・グラモフォン社にたくさんの名演を残します。
私がカラヤンという指揮者を知ったのは中学生の頃でした。母親が本屋に勤めていて、当時出版社から発売されたレコードをいくつか買ったのですが、その中にカラヤン指揮のものがありました。「白鳥の湖」と「くるみ割り人形」が入っていて、「くるみ割り人形」はしばしば聴いていました。
今から40年前にクラシック音楽を本格的に聴き始めましたが、カラヤンを聴くことはほとんどなく、フルトヴェングラー、ミュンシュ、ストコフスキーなどをよく聴いていました。それでも50才を過ぎたあたりからグラモフォンに録音されたカラヤンのレコードを収集するようになり、内容、録音ともに優れたレコードであることにようやく気付きました。
カラヤンは同じ曲の録音を何度もしており、新世界交響曲は5回録音しています。モーツァルトのレクイエムは3回です。このようにしばしば演奏した曲の名演奏を楽しんでいただけると思います。またシューマンの「ライン」はこのレコードのみということで、珍しいシューマンの交響曲の演奏を楽しんでいただけると思います。
最初は、モーツァルトのクラリネット協奏曲です。カール・ライスターは1970年代から80年代に掛けて多くのレコードを残しているクラリネット奏者です。彼が34才の頃に残したカラヤンとの共演をお楽しみください。演奏時間は約30分です。
次にお聴きいただくのは、シューマンの交響曲第3番「ライン」です。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団が名演と呼ばれていますが、カラヤンの演奏もオーソドックスな演奏として楽しんでいただけると思います。演奏時間は約35分です。
前半最後の曲は、モーツァルトのレクイエムです。カラヤンはこの曲を3度スタジオ録音しています。このレコードは1975年に録音された2度目の録音ですが、前後の録音より独唱者が充実しており、最盛期の録音と思います。演奏時間は約52分です。
ここでしばらく休憩をいただきます。
後半、最初にお聴きいただくのは、ホルストの組曲「惑星」です。ボールト、メータ、オーマンディなどの名演があり、カラヤンも1961年にデッカレーベル(このときはウィーン・フィルを指揮)に録音していますが、本日はベルリン・フィルを指揮した1981年の録音をお聴きください。演奏時間は約51分です。
最後にお聴きいただくのは、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」です。先程も言いましたが、カラヤンはこの曲を5回録音しており、このレコードは4回目の録音と思われます。私が小学校の頃の下校音楽がこの曲の第2楽章でこの曲の第2楽章を聴くといつもそのことを思い出します。演奏時間は約43分です。
本日もアンコール曲を用意させていただきました。本日のプログラムでホルストの「惑星」を聴いていただきましたが、昨日、中古レコード店でたまたま2台のピアノ編曲版を見つけましたので、そのレコードから「木星」を聴いていただこうと思います。それでは、リチャード・マーカム、デイヴィッド・ネットルの演奏でどうぞ。
本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。