本日は、お忙しい中、レコードコンサートにご来場いただきありがとうございます。このレコードコンサートは、名曲喫茶ヴィオロンのすばらしいオーディオ装置で私の愛聴盤をお聴きいただくもので、ハード、ソフト共に優れた音楽を心行くまでお楽しみ下さい。なお、コンサートと言いましても普通の営業と変わりませんので、くつろいでお聴き下さい。

 今回は、「ショルティ指揮シカゴ交響楽団の名演」ということで、1969年にシカゴ交響楽団の音楽監督に就任し、世界屈指のオーケストラに育て上げたゲオルク・ショルティの名演をお聴きいただきます。

ゲオルク・ショルティは、1912年にハンガリーのブタペストに生まれました。1930年リスト音楽院を卒業後はリハーサルのためのピアニストをしたり、1942年のジュネーヴ国際コンクールのピアノ部門で優勝したりと主にピアノで音楽活動をしていましたが、1946年にバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任し、1952年にはフランクフルト歌劇場の音楽監督に就任します。1953年にはサンフランシスコ歌劇場にて、リヒャルト・シュトラウスの「エレクトラ」の指揮でアメリカ・デヴューします。1958年から始まった、ウィーン・フィルとのワーグナー「ニーベルングの指輪」の全曲録音は指揮者としての世界的地位を著しく高めます。1961年にはイギリスのコヴェント。ガーデン王立歌劇場の音楽監督に就任します。1969年にはシカゴ交響楽団の音楽監督に就任します。

私が初めて聴いたショルティのレコードはブルックナーの交響曲第7番でした。次にマーラーの交響曲第3番と第4番と長大なものばかりでした。1980年頃の私はガイドブックの推薦盤ばかりを聴いていたので、このようになったのですが、他には、「ニーベルングの指輪」やリヒャルト・シュトラウスやバルトークの管弦楽曲が推薦盤として上げられていて、こちらは興味がなく「ツァラストラはかく語りき」くらいしか聴くことはありませんでした。前回、特集を組んだカラヤンと同様に1970年代、80年代のクラシック音楽の牽引車である「カラヤンを聴かないともったいない」と思ったのと同様にショルティの名盤を私は最近になって聴き始めました。ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏は、繊細さに描け、大雑把な感じがしますが、管弦楽セクションの迫力のある音とバランスの取れた聴きやすい音楽は今後も私は聴きつづけて行こうと思っています。

 本日は、モーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキー、ベルリオーズのおなじみの曲を揃えましたので、楽しんでいただけると思っています。

最初は、モーツァルトの交響曲第38番「プラハ」と第39番です。第39番は三大交響曲のひとつで有名ですが、第38番も最初のところで、歌劇「魔笛」序曲の旋律が出て来て大きな盛り上がりを見せるので、演奏される機会が多い名曲です。演奏時間は約52分です。 

次にお聴きいただくのは、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と第4番です。「運命」も第4番もカルロス・クライバーの名演があります。クライバーは第7番の名演があり、特集をしたいと考えていますが、ベートーヴェンの4、5、7や「椿姫」「魔弾の射手」「こうもり」「トリスタンとイゾルデ」を組み合わせて特集ができるのかと考えています。演奏時間は約73分です。

ここでしばらく休憩をいただきます。

後半、最初にお聴きいただくのは、チャイコフスキーの交響曲第4番です。この曲はムラビンスキーの名盤がありますが、この演奏ではシカゴ交響楽団の金管楽器の華麗な響きが印象に残ります。演奏時間は約42分です。

最後にお聴きいただくのは、ベルリオーズの幻想交響曲です。モントゥー、ミュンシュ、クリュイタンスの名盤がありますが、ドイツ系の指揮者がアメリカのオーケストラで演奏する幻想交響曲を興味を持って聴いていただけると思います。演奏時間は約53分です。

本日もアンコール曲を用意させていただきました。先程も言いましたが、ショルティはピアノ演奏にも確かな技術を持っていました。クーレンカンプとブラームスのヴァイオリン・ソナタのレコードを残していますので、それを聴いていただきましょう。

本日も、レコードコンサートにおつき合いいただきありがとうございました。私のレコードコンサートは少し聴いていただくだけでも、歓迎致しますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。