本日はお忙しいところ、LPレコードコンサートに来ていただきありがとうございます。

2002年から2019年まで開催して来ましたこのLPレコードコンサートもコロナ禍で3年余り自粛してきましたが、ようやく規制が緩和され以前のような形での開催が可能となりました。

引き続きマスクの着用など感染防止のためにご協力いただき、当面は2時間以内での開催となりますが、以前のように音の良い名盤を聞いて頂こうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

本日は再開第3回目、通算で74回目となりますが、帝王カラヤンが指揮したホルストの組曲「惑星」とリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」他を聞いていただきます。

指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンは1908年オーストリアのザルツブルクに生まれました。ザルツブルクモーツァルテウム音楽院、ウィーン音楽院で学んだ後、オペラ指揮者として脚光を浴びます。第二次世界大戦後には苦しい時期もありましたが、1948年にイギリスのEMIレコードと契約し、フィルハーモニア管弦楽団を指揮してレコードを録音していきます。なお、グラモフォンレコードでの最初のレコーディングは1938年のモーツァルト「魔笛」序曲のようですが、カラヤンのレパートリーは広く、古典派、ロマン派の主要な作品のほとんどを録音し、管弦楽曲だけでなくオペラも数多く録音し、しかもいずれも高い水準の演奏をしています。そんな数多あるカラヤンの名演のうち本日は、ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲、ホルストの組曲「惑星」、リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」を聞いていただきます。それから今日は時間の余裕があれば、モーツァルトの交響曲第40番のリハーサルを入れたレコードも聞いていただこうと思っています。

それでは最初の曲を聞いていただきましょう。ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲です。演奏時間は約12分です。

次に聞いていただくのは、ホルストの組曲「惑星」です。カラヤンは1961年にこの曲を録音していて、私もそのレコードを用意していたのですが、針飛びをすることがありコンディションが悪いので、それから20年が経過した1981年録音のグラモフォン盤を聞いていただきます。演奏時間は約52分です。

最後に聞いていただくのはリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」です。カラヤンはリヒャルト・シュトラウスの管弦楽曲を何度も録音していて交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」、交響詩「英雄の生涯」をそれぞれ3回、交響詩「死と変容」を4回録音していますが、この「アルプス交響曲」は1回しか録音していません。演奏時間は約51分です。

最初にお約束いたしましたように、カラヤンのモーツァルト交響曲第40番第1楽章のリハーサルを録音したものを聞いていただきます。このレコードは、EMIのモーツァルトの後期交響曲集のアナログ盤のおまけとしてついていものです。

それではプログラムに入りたいと思います。最初はピアノ協奏曲第1番とピアノ・ソナタ「悲愴」です。この2曲は1枚のレコードに収められていますが、73、4才の頃のバックハウス円熟の境地の名演をお聞きください。演奏時間はピアノ協奏曲第1番が約33分 ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」が約15分です。